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燃料費調整の上限は2種類。今月効いているエリアと会社ごとの有無

公開 2026年9月1日 / 最終更新 2026年9月26日

この記事の結論(2026年9月分・国の支援を除いた単価)

1. 上限は2種類。規制料金の法令の上限は国の認可なしに外せず、自由料金の約款の上限は撤廃できます。

2. いまの会社の上限は、明細のプラン名と約款で確かめます(確かめ方)。

3. 今月は関西と九州で上限が効いています。関西電力の従量電灯Aは、同社の上限のないプランより1kWhあたり1.56円低い単価です。

調整費だけの差です。どこが安いかは、単価表と足した総額で決まります。

上限があるかどうかは、会社名ではなくプラン名で決まります。同じ会社でも、プランで上限の有無が分かれます。

エネチェックは電力会社ではない、電気料金の比較サイトです。数字は各社の約款と毎月のお知らせを開いて確かめ、取得元つきで登録しています(編集方針)。

会社ごとの有無 / 確かめ方 / 今月効いているエリア

燃料費調整の上限とは何ですか?

燃料の値段がどれだけ上がっても、調整費の計算に使う値を一定のところで止める仕組みです。

上限に届いた月は、それ以上燃料が上がっても調整費は増えません。 上限には、変えるのに国の認可が要るものと、会社が約款で決めるものがあります。何の価格をどこまで止めるかも、上限ごとに違います。

燃料費調整の上限は2種類。規制料金の法令の上限は基準燃料価格の1.5倍で止め外すには国の認可が要る。自由料金の約款の上限は会社が決め撤廃できる

出典:資源エネルギー庁「燃料費調整制度について」、東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款」

法令の上限約款の上限
どのプランか大手電力の規制料金(従量電灯A・B・C、低圧電力など)自由料金の一部(楽天でんき プランSなど)
何を止めるか平均燃料価格を、基準燃料価格の1.5倍で止める会社ごとに違う(燃料価格、市場価格の月平均、30分ごとの市場価格など)
外せるか上限をなくすなど利用者に不利な変更には、国の認可が要る会社が約款を変えれば撤廃できる

大手電力の規制料金には、燃料費調整を置くことが義務づけられています。上限もその制度の一部です(資源エネルギー庁)。 自由料金の調整費は、式も上限も各社が約款で決めます。多くの自由料金には上限がありません。

どちらの上限も、電気代の総額の上限ではありません。基本料金・電力量料金・再エネ賦課金は別に決まります。 調整費そのものの仕組みは燃料費調整額とは?で説明しています。

燃料費調整額に上限がある会社はどこですか?

法令の上限があるのは、大手電力10社の規制料金です。自由料金で上限があるのは一部で、何を止めるかは会社ごとに違います。

家庭向けの主なプランを、約款・重要事項説明書・各社のお知らせで確かめた結果です(2026年9月時点)。会社名から公式の根拠を開けます。 同じ「上限あり」でも、止める対象と範囲が違います。燃料価格の上限、市場価格の月平均の上限、30分ごとの上限、使用量に限りのある還元は、分けて見てください。

会社・プラン(何を止めるか/撤廃の実例)上限
燃料価格を止める上限
大手電力10社の規制料金(従量電灯A・B・C、低圧電力など)
平均燃料価格を基準燃料価格の1.5倍で止める
法令
コスモでんき コスモでんきスタンダード
平均燃料価格を止める(関東は129,200円/kl。規制料金と同じ水準)
約款
市場価格・電源料金を止める上限(還元を含む)
楽天でんき プランS
市場価格調整に使う市場価格の月平均を30円/kWh(税抜)で止める
約款
TERASELでんき マーケットあんしんプラン
電源料金の月平均の単価を36円/kWh(税込)で止める
約款
アストでんき フリープラン
月平均ではなく、30分ごとの市場価格を80円/kWh(税抜)で止める
約款
Looopでんき スマートタイムONE
止めるのではなく還元。関東は電源料金の月平均が128円/kWhを超えた分を、月120kWhまで
約款
上限なし
東京電力 スタンダードS・関西電力 はぴeタイムR・九州電力 電化でナイト・セレクトなど大手電力の自由料金
中部電力ミライズは2022年12月分から、おとくプランなど自由料金の上限を廃止
なし
auでんき
2022年11月ご利用分から上限を廃止
なし
西部ガス
2022年9月検針分から上限を廃止
なし
PinTでんき
2023年5月請求分から上限を撤廃
なし
ENEOSでんき・東京ガス・ドコモでんき・CDエナジーダイレクト・HTBエナジー・グリーンオクトパスなし
調整費そのものが無い
シンプルオクトパス
燃料費調整の条項そのものが無い(12か月後にグリーンオクトパスへ)
対象外

楽天でんきの上限は、約款の上限です。国の認可が要る規制料金の上限とは違い、会社が約款を変えれば撤廃できます。

市場の値段で動くプランの上限は、燃料ではなく市場価格を止めます。仕組みは市場連動型プランは誰に向いていて、誰に向かないのかで説明しています。 コスモでんきスタンダードは、2026年9月分の単価を当サイトで確認できていないため、金額の比較には入れていません。

いまの会社に上限があるか、どう確かめますか?

明細のプラン名が、大手電力の規制料金(従量電灯A・B・C、低圧電力)かどうかで見分けます。それ以外は約款の調整費の条を開きます。

  1. 電気料金の明細(「電気ご使用量のお知らせ」)で、会社名とプラン名を見る
  2. 大手電力(北海道電力〜沖縄電力)の「従量電灯A・B・C」「低圧電力」なら、規制料金で法令の上限がある
  3. それ以外は、会社のサイトで約款(料金表・重要事項説明書)を開き、「燃料費調整」「市場価格調整」「電源料金」の条を探す
  4. その条で「上限」「平均燃料価格」「還元」の語と、使用量などの条件を見る

名前の似た自由料金に注意してください。北陸電力の「従量電灯ネクスト」「低圧電力ネクスト」、沖縄電力の「従量電灯plus」は自由料金で、上限はありません。 新電力にも「従量電灯B」という名前のプランがあります(ミツウロコでんきなど)。規制料金ではないので、会社名まで合わせてください。

約款で見つからなければ、契約先に次のように問い合わせてください。 「私のプランの調整費に上限はありますか。何の価格を止めるのか、使用量の制限があるかも教えてください」

上限の有無が分かったら、次は総額です。エリアといまの会社を選ぶと、2026年9月分の調整費まで足した試算が並びます。プランが分かったときは、いまの契約との差額も出します。

上限の有無と、今月の総額を比べる

今月上限が効いている関西・九州は、関西電力と比べる・九州電力と比べるから始められます。店舗・事業所の方は低圧の比較へ。

今月、上限が効いているのはどのエリアですか?

2026年9月分は、関西と九州の規制料金が上限で計算されています。ほかの8エリアは上限に届いていません。

2026年9月分の関西電力は平均燃料価格50,100円/klが上限40,700円/klを超え、従量電灯Aは+2.24円、上限なしは+3.80円で、260kWhなら406円の差

出典:関西電力「2026年9月分電気料金の燃料費調整等」、九州電力「2026年9月分電気料金の燃料費等調整単価をお知らせします」。月額の差は、2つのプランの調整単価の差に260kWhを掛けた当サイトの計算で、基本料金・電力量料金の差は含みません

規制料金は関西電力の従量電灯A・九州電力の従量電灯B、上限のないプランは関西電力のはぴeタイムR・九州電力の電化でナイト・セレクト22です。

大手電力平均燃料価格上限規制料金(上限で計算)同じ会社の上限のないプラン月260kWhの差
関西電力50,100円/kl40,700円/kl+2.24円/kWh+3.80円/kWh406円
九州電力41,800円/kl41,100円/kl+1.96円/kWh+2.06円/kWh26円

関西は、平均燃料価格が上限を超えました。規制料金は上限で計算され、+2.24円/kWhで止まっています。 上限のないプランは、超えた分もそのまま使います。九州は上限を700円/kl上回った月で、差は小さめです。

どちらも調整費だけの差です。総額でどちらが安いかは、基本料金と電力量料金まで足さないと決まりません。

全国10エリアの上限と、2026年9月分の単価

表示中:2026年9月分。上限は平均燃料価格(円/kl)、単価は1kWhあたりの調整単価(国の支援を除く)です。 「自由料金」は燃料費調整型のプランで最も多くの会社が使う単価の代表例で、すべての自由料金に当てはまるわけではありません。

エリア上限(円/kl)規制料金自由料金(代表例)
北海道121,200▲4.99円▲4.99円
東北125,300▲7.24円▲7.24円
関東129,200▲6.46円▲6.46円
中部68,900+2.63円+2.63円
北陸119,700▲6.67円▲6.67円
関西*40,700+2.24円+3.80円
中国120,500▲8.43円▲8.43円
四国120,000▲5.67円▲5.67円
九州*41,100+1.96円+2.06円
沖縄122,300▲10.27円▲10.27円

出典:各社の特定小売供給約款・燃料費調整制度のページと、2026年9月分の燃料費調整単価のお知らせ(大手電力10社、ENEOS Power)

  • *:2026年9月分が上限で計算されたエリア。上限が効いていないエリアは、規制料金と自由料金が同じ単価です
  • 規制料金:各エリアの大手電力の従量電灯B。関西・中国・四国は従量電灯A、沖縄は従量電灯
  • 北海道・東北・中国・九州・沖縄の単価は、同じ行で請求される離島ユニバーサルサービス調整単価を含みます

なぜ関西と九州だけなのか

上限の高さがエリアで3倍以上違い、関西と九州の上限がいちばん低いからです。

規制料金の平均燃料価格の上限は関西40,700円/klと九州41,100円/klが最も低く、関東129,200円/klまでエリアで3倍以上違う

出典:各社の特定小売供給約款、燃料費調整制度のページ、2026年9月分のお知らせ

上限は、基準燃料価格の1.5倍です。 基準燃料価格は、規制料金の改定を申請したときの直近3か月の燃料価格から決まります(資源エネルギー庁)。

関西電力の基準燃料価格は27,100円/kl、東京電力は86,100円/klです。上限もそれぞれ40,700円/kl、129,200円/klになります。 2026年9月分の平均燃料価格は、関東50,800円/kl、関西50,100円/kl、九州41,800円/klでした。上限が低いエリアほど、先に上限に届きます。

東京電力の燃料費調整の上限はいくらですか?

規制料金の計算に使う平均燃料価格の上限は、129,200円/klです。明細に載る1kWhあたりの単価に直すと、上限に張りついたときで+7.89円です。

燃料価格の上限
129,200円/kl
上限に張りついたときの単価
+7.89円/kWh
2026年9月分の単価
▲6.46円/kWh

対象は従量電灯Bなどの規制料金で、国の支援を除いた値です。上限時の単価は、約款の式(基準燃料価格86,100円/kl、基準単価18銭3厘)で当サイトが計算しました。 2026年9月分の平均燃料価格50,800円/klは、上限の39%です。スタンダードSなど、東京電力の自由料金には上限がありません。

月の調整費は、調整単価×使った量(kWh)です。

2023年1月分は、関東でも上限が効いた

2023年1月分の東京電力。法令の上限がある従量電灯Bは5.13円、上限のないスタンダードSは12.99円で、260kWhなら月2,044円の差

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ(2023年1月分)」。月額の差は当サイトの計算

この月の平均燃料価格は100,200円/klで、当時の上限66,300円/klを超えていました。 上限のある従量電灯Bは5.13円/kWh、上限のないスタンダードSは12.99円/kWhです。260kWhなら、調整費だけで月2,044円の差でした。

法令の上限も、水準がずっと同じわけではありません。当時66,300円/klだった上限は、2026年4月1日実施の約款では129,200円/klです。 規制料金の値上げなど利用者に不利な見直しには国の認可が要り、値下げなどは届出で変えられます。

燃料費調整額の上限がなくなると、どうなりますか?

燃料が上がった分が、そのまま調整単価に乗ります。燃料が大きく上がった月ほど、上限のある規制料金との差が開きます。

約款の上限が撤廃された例。2022年9月検針分の西部ガス、11月ご利用分のauでんき、12月分の中部電力ミライズ、2023年5月請求分のPinTでんき

出典:西部ガス、KDDI(auでんき)、中部電力ミライズ、PinTの各お知らせ・料金ページ(会社ごとの有無の表から開けます)

約款の上限は、実際に撤廃されてきました。当サイトが一次資料で確かめた例は、2022年から2023年にかけての4社です。 上の2023年1月分の関東の例では、上限の有無で調整単価が1kWhあたり7.86円違いました。

自由料金の上限は、契約した後に変わることがあります。約款の変更のお知らせも確かめてください。 規制料金の上限は、会社の判断だけでは外せません。上限をなくすなど利用者に不利な変更には、国の認可が要ります。

上限がないなら、すぐ乗り換えるべきですか?

上限がないことだけでは、乗り換えが得とは言えません。今月の負担は総額で、燃料が上がったときの負担は上限の条件で、分けて見ます。

今月いくら払うかは、基本料金・電力量料金・調整費を足した総額で決まります。 燃料が大きく上がったときにどこまで負担するかは、上限の有無と、何を止める上限かで決まります。

規制料金(従量電灯)へ移ることもできます。東京電力は、自由料金の契約者も従量電灯Bなどを選べると案内しています。 ただし同社も、使い方によっては割安にならない場合があると書いています。いまの会社の解約金の定めも確かめてください。

店舗・事業所の低圧でも同じですか?

規制料金の低圧電力・従量電灯Cにも、家庭と同じ法令の上限があります。2026年9月分は、関西・九州の低圧電力も上限で計算されています。

関西電力の低圧電力は+2.24円/kWh、九州電力の低圧電力は+1.96円/kWhです。家庭の規制料金と同じ単価です(国の支援を除く)。

調整費は、使った量に比例します。 関西で仮に月1,000kWh使う店舗なら、上限の有無で調整費に月1,560円の差が出ます(2026年9月分、当サイトの計算)。

法人向けの自由料金にも、楽天でんきのプランM・動力プランのように約款の上限を置くものがあります。 契約容量(kVA)や契約電力(kW)と使用量が分かれば、店舗・事業所の低圧の比較で調整費まで足した金額を並べられます。

まとめ

  • 燃料費調整の上限は、調整費の計算に使う燃料価格などを止める仕組み。電気代の総額の上限ではない
  • 上限は2種類。規制料金の法令の上限は国の認可なしに外せず、自由料金の約款の上限は撤廃できる。2022〜2023年に撤廃の例がある
  • 上限の有無はプランで決まる。明細のプラン名と、約款の調整費の条で確かめる
  • 法令の上限の高さはエリアで3倍以上違う。2026年9月分は関西・九州で上限が効き、関西電力では上限のないプランより1kWhあたり1.56円低い
  • 上限の有無だけでは、どこが安いかは決まらない。単価表と足した総額で比べる

よくあるご質問

Q. 燃料費調整の上限は、電気代の総額の上限ですか。

A. いいえ。止めるのは調整費の計算に使う燃料価格や市場価格です。基本料金・電力量料金・再エネ賦課金は、上限と関係なく決まります。

Q. 楽天でんきの上限は、規制料金の上限と同じものですか。

A. 違います。楽天でんきのプランSは、市場価格調整に使う市場価格の月平均を30円/kWh(税抜)で止める、会社が約款で決めた上限です。国の認可が要る規制料金の上限と違い、約款の変更で撤廃されうるものです。

Q. 上限があるプランなら、電気代は上がりませんか。

A. 上がります。上限に届くまでは、燃料の値段に合わせて調整費が増えます。規制料金の見直しで、上限の水準や単価そのものが変わることもあります。

Q. 電力会社を変えると、停電しやすくなりますか。

A. なりません。電気を届ける送配電網は、どの会社と契約しても同じ設備です。資源エネルギー庁も、電気の品質や信頼性はどの会社から電気を買っても同じだと説明しています。

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出典

料金・調整費は各社が変更します。上記の確認日以降に改定されている場合があります。 申込前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。 本記事の最終更新: 2026年9月26日。