この記事の結論(JEPX 2026年8月使用分・関東)
1. 昼と夕方〜夜の平均の価格差は4.66円/kWh。通説(太陽光で昼が激安)ほど大きくありません。
2. ただし昼の最低は1.02円と、夕方〜夜の最低14.91円よりずっと安い瞬間があります。
3. 3〜4人家族の目安(400kWh・40A)では、昼型でも夜型でも今月は東京電力より高くなりました(差4,394〜6,026円/月)。
時間帯の配分より、その月のJEPX平均そのものが総額を決めます。予測はせず、実際の値だけを示します。
自分の暮らしの型で、市場連動型の目安を見る
エリアと「いまの会社」を選ぶと、市場連動型プランと固定単価のプランを同じ条件で並べます。30分ごとの使用量データがあれば、目安ではなく実額で計算します。
市場連動型プランは、卸電力市場(JEPX)の30分ごとの価格を、そのまま電力量料金に反映させる仕組みです。 「安い」と紹介されることがありますが、正確には安いプランではなく、価格の変動を自分で引き受けるプランです。
エネチェックは電力会社ではない、電気料金の比較サイトです。数字は各社の料金メニュー定義書とJEPXの公表値を編集部が開いて確かめ、取得元つきで登録しています(編集方針)。
市場連動型プランとは何ですか?
電力量料金の大部分が、卸電力市場(JEPX)の30分ごとの価格で決まり、契約時点では確定していません。
固定単価のプランは、契約するときに1kWhあたりの単価が決まっています。市場連動型プランは、その単価の代わりに「その30分に、JEPX(日本卸電力取引所)で電気がいくらで取引されたか」をそのまま使います。

具体的な式はこうです。
30分の使用量 ×(その30分のJEPXエリアプライス)÷(1−エリア損失率)× 消費税率
Looopでんき・楽天でんきなど各社の定義書に共通する考え方です(サービス料金や託送費の別建ての有無は会社によって違います)。この式で決まるのは電源料金の部分だけで、実際の請求額はここにサービス料金・託送費・再エネ賦課金などを足したものになります。
電気代の調整費は、大きく3タイプに分かれます。①燃料の輸入価格(貿易統計)に連動する燃料費調整型、②会社が独自に決める調達調整型(実質はJEPXの月平均価格を使うことが多い)、③JEPXのスポット価格が30分ごとにそのまま入る市場連動型。約款にJEPXという言葉があっても、使うのが「30分ごとの価格」か「月平均価格」かで、使う時間を変える効果が変わります。契約中のプランがどちらか分からないときは、約款の計算式を確認してください。
市場連動型のプランは、単価表に固定の単価を書けません。電力量料金の欄を空にし、「30分ごとの市場価格に連動」という注記だけを置いているプランです。単価表だけで安さの順位をつけると、この型のプランは正しく比べられません。
市場連動型と従量電灯型(固定単価)はどう違いますか?
従量電灯型は契約時に単価が決まり、市場連動型は使い終わるまで決まりません。
従量電灯型(固定単価)のプランは、電気を使う量に応じた段階単価が約款で決まっています。使う前から、1kWhあたりいくらか分かります。
市場連動型は違います。同じ1kWhでも、使った30分のタイミングによって単価が変わります。深夜に使った1kWhと、夕方に使った1kWhでは、価格が数倍違うことがあります。
このため、市場連動型プランは「今月いくらか」を契約前に約束できません。約束できるのは、サービス料金や託送費といった固定部分と、上限の有無・解約金といった契約条件だけです。次の章から、実際の価格差を数字で確認します。
2026年8月の電気の価格は、時間帯でどれくらい違いましたか?
関東は夕方〜夜(17〜21時)が平均25.70円/kWhで最も高く、昼(10〜15時)との差は平均4.66円/kWhでした。

2026年8月使用分の関東は、深夜(0〜5時)平均18.45円、朝(7〜9時)平均18.59円、昼(10〜15時)平均21.04円、夕方〜夜(17〜21時)平均25.70円/kWh(税抜)でした。 「太陽光の発電で昼が激安になる」という説明を見かけますが、今回の月の平均で見る限り、昼と夕方〜夜の差は4.66円/kWhにとどまります。
ただし最低値は別です。昼の最低は1.02円/kWhと、夕方〜夜の最低14.91円よりずっと安い瞬間がありました。市場連動型が効くのは「平均」ではなく、こうした安い瞬間をどれだけ拾えるかです。
市場連動型プランのデメリットは何ですか?
過去には、平時の7.3倍まで市場価格が跳ね上がったことがあります。

2021年1月、寒波と燃料不足が重なり、JEPXのスポット価格は30分値で最高251.00円/kWh、日平均でも最高154.60円/kWhまで上がりました。今回の月(2026年8月使用分)の関東・昼の平均21.04円/kWhと比べると、7.3倍です。
この7.3倍は、あくまで卸電力市場の単価どうしの比較です。実際の請求額は、電源料金以外にサービス料金や託送費などの固定部分も含むため、請求総額が同じ倍率で跳ね上がるわけではありません。それでも、市場価格が上がった分は使用量を減らさなくても料金に上乗せされます。
これは実際に起きたことで、今後また起きると予測するものではありません。市場連動型プランを選ぶことは、この振れ幅を自分で引き受けることだと理解したうえで判断してください。
市場連動型プランのなかには、約款で上限を設けているものもあります。Looopでんきと楽天でんき オール電化プランは、どちらも電源単価の月平均が128円/kWhを超えた分を120kWhまで還元する仕組みです。ただしこれは会社が任意に決めた約款の上限で、規制料金が持つ法令の上限とは性質が違い、還元の対象は月120kWhぶんまでです。上限の2種類の違いは燃料費調整の上限は2種類で詳しく説明しています。
市場連動型は誰に向いていますか?
電気を使う時間を動かせて、月ごとの料金の変動を許容できる人が検討候補です。支出の見通しを優先したい人は慎重に比較してください。
そのうえで、実際にどれくらい差が出るのかを、3〜4人家族の目安(400kWh・40A、東京電力エリア)で試算しました。「日中は留守で夜に使用が集中する暮らし」と「日中も在宅で使用が分散する暮らし」の2パターンについて、市場連動型2社(Looopでんき スマートタイムONE、楽天でんき オール電化プラン)と東京電力 従量電灯Bを比べています(2026年9月分の請求、JEPXは2026年8月使用分。使用配分は当サイトの仮定で、税・賦課金・政府支援を含む総額)。
楽天でんきのオール電化プランは、契約電流10〜60A(または契約容量3〜50kVA未満)の住宅を対象に、オール電化住宅向けとして案内されているプランです。公式Q&Aでは、オール電化でない住宅からの申し込みも可能としています。ここでは参考として同じ使用量で試算しています。なお、2026年9月26日時点で新規申込は一時受付停止中です。

結果は、東京電力12,712円に対し、Looopは17,106〜17,156円(差+4,394〜4,444円)、楽天でんきは18,687〜18,738円(差+5,975〜6,026円)でした。**今回設定した2つの使用配分では、時間帯配分による差は月50円ほどでした。**この結果だけで、ほかの月や別の使用配分でも差が小さいとは言えません。今回に関しては、使う時間帯の配分よりもJEPXのその月の平均そのものが総額を大きく動かしています。
つまり向く・向かないは、時間帯だけでは決まりません。その月のJEPX平均が、固定単価のプランより低いかどうかが先に効き、そのうえで使う時間帯が安い時間に寄っているかどうかが差になります。
自分の暮らしに近い条件で見るなら、比較ページでエリアと世帯の型を選んでください。30分ごとの使用量データがあれば、目安ではなく実額で計算します。
全国でJEPXの価格は同じですか?
同じ月でも、エリアで平均が北海道14.33円から中部21.61円/kWhまで違います。
| エリア | 平均 | 最高 | 最低 |
| 北海道 | 14.33円 | 47.50円 | 0.01円 |
| 東北 | 15.68円 | 47.50円 | 1.01円 |
| 関東 | 21.24円 | 50.01円 | 1.02円 |
| 中部 | 21.61円 | 55.23円 | 3.50円 |
| 北陸 | 20.26円 | 55.23円 | 3.50円 |
| 関西 | 19.23円 | 55.23円 | 3.50円 |
| 中国 | 17.78円 | 55.23円 | 3.50円 |
| 四国 | 16.81円 | 55.23円 | 0.01円 |
| 九州 | 16.77円 | 55.23円 | 3.50円 |
| 沖縄* | 19.14円 | 50.01円 | 8.00円 |
出典:日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場 取引結果(エリアプライス・税抜、2026年8月使用分)。当サイトが月内の全コマ(48コマ×日数)を集計。*沖縄は当サイトのエリアプライス在庫に無く、全国共通のシステムプライスで代用しています
同じ月でも、太陽光の発電量や需要のバランスがエリアで違うため、平均が北海道14.33円から中部21.61円まで、1.5倍ほど開きます。市場連動型プランを検討するときは、自分のエリアの傾向で考える必要があります。
市場連動型ではない電気会社・プランはどれですか?
東京電力 従量電灯Bのような規制料金は固定単価です。新電力の多くも、貿易統計に連動する燃料費調整型です。
たとえば東京電力 従量電灯Bは、この記事で比較に使った固定単価のプランで、市場連動型ではありません。ENEOSでんき 東京Vプランや CDエナジーダイレクト ベーシックでんきのような新電力の多くも、燃料の輸入価格(貿易統計)に連動する燃料費調整型です。
約款に「電源調達」「市場価格調整」といった言葉があっても、それが月平均の価格を使う独自の調達調整型なら、30分ごとに単価が変わる市場連動型とは違います。契約中のプランがどちらか分からないときは、約款の計算式に「JEPX」「スポット市場」という言葉があるか、あればそれが30分ごとの価格か月平均の価格かを確認してください。
市場連動型のプランは、単価表だけでは実額を確認できないため、当サイトの新電力だけのランキングでは安さの順位に入れていません。それ以外の大半のプランは固定単価か、貿易統計に連動する燃料費調整型です。
30分ごとの使用量データがあれば、もっと正確に分かりますか?
分かります。目安ではなく、その月のJEPX価格をそのまま使った実額を計算できます。
ここまでの試算は「日中は留守」「日中も在宅」という2つの暮らしの型を仮定した目安です。実際の使用量は人によって違うため、目安と実額には差があります。
各社のマイページから落とせる30分ごと(または1時間ごと)の使用量CSVがあれば、比較ページにそのファイルを読み込ませることで、その期間に各プランを使った場合の料金を再計算します。過去の使用量と、対応する期間のJEPX価格を組み合わせた再計算で、将来の請求額を確定するものではありません。ファイルはこの端末の中で読むだけで、当社には送信されません。 データを出せるかどうかは会社によって違うため、比較ページで確認方法を案内しています。
まとめ
- 市場連動型プランは、JEPXの30分ごとの価格をそのまま反映する。安いプランではなく、変動を引き受けるプラン
- 2026年8月使用分の関東は、夕方〜夜が平均25.70円で最も高く、昼との差は平均4.66円。ただし昼の最低値は1.02円と大きく下がる瞬間がある
- 2021年1月には平時の7.3倍まで跳ね上がった実績がある。予測はしない
- 400kWh・40Aの目安では、昼型でも夜型でも今月は東京電力従量電灯Bより高い。時間帯より、その月のJEPX平均そのものが効く
- 上限(約款)を持つ市場連動型プランもある。法令の上限とは別のもの
自分の暮らしの型で市場連動型プランの目安を見るなら比較ページ、上限の2種類の違いは燃料費調整の上限は2種類、市場連動型を除いた新電力のランキングは新電力だけのランキングで確認してください。