コインランドリーの光熱費を見直すとき、最初に確認すべきは電気ではありません。乾燥機がガス式か電気式かです。
ガス乾燥機の店では、ガス代のほうが大きい
乾燥機がガス式の店では、電気の主役は洗濯機・洗濯乾燥機と空調です。電気式の乾燥機を使っている店は、動力の契約が大きくなります。
この場合、光熱費の構成はこうなります。
- ガス — 乾燥機。使用量に比例して増える
- 電気 — 洗濯機のモーター、給水、照明、空調、両替機・決済端末
乾燥がガスなら、光熱費の主役はガスです。 電気代だけを見直しても、全体に対する効果は限定的になります。
まずガスの契約を確認してください。都市ガスかLPガスかで、見直しの余地がまったく違います。LPガスは事業者ごとに料金が大きく異なり、交渉の余地が大きい領域です。
そのうえで、電気側で確実に効くのは動力の契約電力
電気で見るべきは、使用量より**契約電力(kW)**です。
| 契約 | 対象 | 基本料金 |
|---|---|---|
| 従量電灯C | 照明・両替機・決済端末 | 1kVAあたり約312円 |
| 低圧電力(動力) | 洗濯機のモーター、給水ポンプ | 1kWあたり約1,098円 |
洗濯機を複数台並べる業態なので、動力の契約電力が大きくなりがちです。15kWなら、1kWhも使わなくても月に約16,000円、年間で約20万円かかります。
ここで問題になるのが、契約電力の決まり方です。
負荷設備契約は、つないでいる機器の定格を合計して算定します。実際に何台同時に回るかではなく、全台が同時に動く前提で決まります。
主開閉器契約は、メインブレーカーの容量で決まります。
コインランドリーは、全台が同時にフル稼働することがほとんどない業態です。だから負荷設備契約のままだと、実態より大きな契約電力になっている可能性があります。主開閉器契約に切り替えるだけで下がることがあります。
「電子ブレーカー」の営業には注意が必要です
主開閉器契約に切り替えて契約電力を下げるための機器として、電子ブレーカーが販売されています。仕組み自体は正当で、モーターの起動時に流れる大きな電流を一定時間許容することで、より小さいブレーカーで運用できるようにするものです。コインランドリーはモーターが多いので、営業の対象になりやすい業種です。
ただしこの分野には注意すべき販売実態があります。2025年には、実態のない設備増設計画を前提に契約容量を引き上げ、結果として電気代が上がった事例が報道されています。
判断のポイントは3つです。
- 削減額の根拠が、自分の実データで示されているか(一般論や他社事例ではなく)
- リース契約の総額——月額だけでなく、支払総額と期間
- 本当に機器が必要か——契約方式の変更だけで下がることがあります
機器を買う前に、まず契約方式を確認してください。
24時間営業と市場連動型の相性
コインランドリーは24時間営業の店が多く、この場合は1日の平均価格をそのまま負担することになります。夜がピークの飲食店のように不利になることもなければ、日中中心の事務所のように有利になることもありません。
ただし完全に均等な店はありません。たとえば夜(19〜21時)に利用が偏る店なら、そのピークは卸電力価格の高い時間と重なるので、わずかに不利側に寄ります。自店の時間帯別の利用は、機器の稼働記録や売上の時間帯から確認できます。
まとめ
- まずガスを確認する——乾燥機がガス式なら、そちらが主役
- 動力の契約電力と、契約方式(負荷設備か主開閉器か)を確認する
- 電子ブレーカーの営業は、自分の実データで検証してから判断する
- そのうえで、電気の切り替えを検討する