オフィスの電気は、空調が最大の項目です。照明はLED化で減らせ、PCの消費電力も下がりましたが、空調は外気温に左右されます。
だから、オフィスの電気代は夏と冬に跳ね、春と秋に落ちるという形になります。
まず確認するのは、請求書が誰から来ているか
ここが最初の分岐です。
電力会社から直接請求が来ている場合 — 電力会社を選べます。この記事の話がそのまま当てはまります。
管理会社・ビルオーナーから請求が来ている場合 — ビル全体で一括受電している可能性が高く、入居者の判断では変えられません。この場合にできるのは次の2つです。
- オーナー・管理会社に提案する(賃料を上げずに建物全体のコストを下げる話として)
- 契約は変えずに、使い方の見直しで下げる
診断の結果「切り替えられません」と分かった時点で、そうお伝えします。
契約容量の見直しが、いちばん確実に効く
従量電灯Cの基本料金は、契約容量1kVAあたり約312円です。使っても使わなくてもかかります。
オフィスで容量が過大になりやすいのは、次のような場合です。
- 入居時から人が減った — 席数が減ったのに契約は当時のまま
- 在宅勤務が定着した — 出社人数が半分になったのに契約は変えていない
- 空調を入れ替えた — 省エネ型にしたのに契約はそのまま
在宅勤務の定着は、契約容量の見直しが最も効く変化です。 使用量は減りますが、基本料金は自動では下がらないからです。
平日日中の稼働は、卸電力価格の安い時間と重なる
卸電力市場の価格は、1日のなかで数倍動きます。
- 昼(10〜15時) — 太陽光の発電量が多く、下がる
- 夕方〜夜(17〜21時) — 太陽光が落ち、需要はピーク。最も高い
9時から18時の稼働なら、大半が安い時間帯に収まります。しかも土日は動きません。時間帯で価格が変わるプランと、構造的に相性が良い業種です。
夜がピークの飲食店とは、ちょうど逆の位置にいます。
ただし「安い時間に使っている」は「市場連動型を選ぶべき」ではありません
相性が良いことと、選ぶべきことは別です。市場連動型や、調整費に上限のないプランは、高騰した月に上限なく上がります。
2021年1月の寒波では、卸電力価格の月平均が通常の約11倍になり、市場連動型の契約者から高額な請求の相談が相次ぎました(電力・ガス取引監視等委員会)。オフィスの場合、その月だけ空調を止めるという判断は難しいと思います。
判断は、平均で得かどうかではなく、最悪の月を払えるかどうかです。
見直しの順番
- 請求書の発行元を確認する — ここで選べるかどうかが決まる
- 契約容量が実態に合っているか — 在宅勤務や人員の変化を反映できているか
- いまの調整費のタイプを知る — 約款の計算式にJEPXのスポット価格が入っていれば市場連動
- そのうえで、自分の使用量での月額で比較する
単価表の順位と、実際の請求額の順位は違います。オフィスは使用量が読みやすい業種なので、年間の見込みで比べやすいという利点があります。