この記事の結論(2026年9月分・関東・家庭向け)
1. 容量拠出金は容量市場の費用で、電気代に反映するかは会社ごとの判断です。単価表には載りません。
2. 関東の家庭向けだけでもHTBエナジー・Japan電力・みんな電力・ストエネなどが別建てで請求し、月219〜477円です。
3. この加算だけで、単価表の順位が入れ替わることがあります。
確かめ方は、約款・重要事項説明書を「容量拠出金」で検索するか、明細の項目名を1つずつ見ることです。
いまの会社を選んで、容量拠出金の有無を確かめる
全国10エリアで、2026年9月分の試算を並べます。店舗・事業所の方は低圧の比較へ。
電気料金の明細や約款で「容量拠出金」「容量拠出金反映額」「容量拠出金相当額」という項目を見つけたら、それは容量市場(将来の電力供給力を確保する国の制度)の費用です。 以下、この項目をまとめて「容量拠出金」と呼びます。
エネチェックは電力会社ではない、電気料金の比較サイトです。数字は各社の約款・お知らせを編集部が開いて確かめ、取得元つきで登録しています(編集方針)。
容量拠出金とは何ですか?
将来の電力供給力(発電所の容量)を確保するための国の制度「容量市場」の費用です。電気事業者が広域機関に払い、電気代への反映は会社の判断です。
電力広域的運営推進機関(広域機関、通称OCCTO)が、日本全体で必要な供給力をオークションで確保し、その対価を発電事業者に払います。 この原資として、小売電気事業者(電力会社)や送配電会社に請求されるのが容量拠出金です。
単価は会社ごとに「基礎額(オークションの落札結果に基づく額)+調整額」の形で示されることが多く、契約電力(kW)にかかる会社が中心です。 契約アンペア(家庭)や契約kVA・kW(法人)1つあたりの単価なので、使う電気の量(kWh)では変わりません。
言葉を2つに分けます。 広域機関に払う「制度としての容量拠出金」は、どの小売電気事業者も対象です。 一方、明細に載る「容量拠出金反映額」「容量拠出金相当額」は、その費用を電気料金にどう反映するかという各社の請求項目で、名前も金額も会社によって違います。以下、後者を中心に説明します。
容量拠出金は誰が払うのですか?
払うのは電気事業者です。それを電気料金に反映するかどうかは、各小売電気事業者の判断です。

出典:電力広域的運営推進機関「容量拠出金を知ろう!」。図の計算は当サイト
広域機関の説明では、容量拠出金は電気の需要を持つすべての小売電気事業者に請求されます。 そのうえで「小売需要の電気料金に容量拠出金を反映させるかどうかは、各小売電気事業者の判断」とされています。
つまり、単価に織り込んで見えなくする会社と、別の項目として足す会社の両方があってよい、というのが制度の建てつけです。 上の図はHTBエナジーの例で、基礎額122.00円/kWに調整額▲11.22円/kWを足した110.78円/kWが、2026年9月分の容量拠出金反映額です。
容量拠出金は、どの会社がいくら請求していますか?
関東の家庭向けだけでも、HTBエナジー・Japan電力・みんな電力・ストエネなどが別建てで請求しています。40A・360kWhの目安で月219〜477円です。

出典:各社の容量拠出金反映額のお知らせ(2026年9月分・8月分)。月額は当サイトの計算(3〜4人家族・日中は誰もいない・40A・360kWhの目安)
| 会社・プラン | 請求のしかた | 40Aなら月額 |
| HTBエナジー ベーシックプラン | 契約電力を3kWとみなす。110.78円/kW | 332円 |
| Japan電力 ハーモニーでんき | 契約電力を3kWとみなす。159円/kW | 477円 |
| みんな電力 プレミアム100プラン | 契約アンペア÷10(kW)。110円/kW | 440円 |
| ストエネ P/F/Mプラン | 契約の大きさによらず1契約定額 | 219円 |
| Looopでんき スマートタイムONE | 94.02円/kW。契約電力が実量制 | 出せません |
- HTBエナジー・Japan電力:契約アンペアによらず「契約電力3kW」とみなして計算します。単価は毎月見直され、2026年9月分はHTBが110.78円/kW、Japan電力が159円/kW(8月起算分)です
- みんな電力:契約アンペア÷10をkWとして使います(10A=1kW)。40Aなら4kWで440円
- ストエネ:契約の大きさに関わらず1契約あたり月219円の定額です。kW建てではありません
- Looopでんき(市場連動型のスマートタイムONE):容量拠出金相当額は94.02円/kW(2026年4月時点)で分かりますが、契約電力が「過去1年の最大需要電力」で決まる実量制のため、契約アンペアからは月額を計算できません。自分の契約電力(kW)が分かれば、94.02円に掛けて計算できます
別建てで加算されると分かっていても、当サイトで単価を確認できていない会社もあります。 シン・エナジー(生活フィットプラン・きほんプランの東京向け)は約款に「容量拠出金相当額(沖縄電力管内を除く)」の条文がありますが、単価の別表を確認できませんでした。 地域電力(スマート)は「安定供給管理費」の名目で使用量(kWh)に応じて別途請求すると案内していますが、単価は毎月見直しで未公表です。
一方、東京電力・ENEOSでんき・楽天でんき・ドコモでんき・CDエナジーダイレクト・東京ガス・オクトパスエナジー(シンプル/グリーン)・PinTでんき・auでんき・コスモでんき・エネワンでんき・ミツウロコでんき・TERASELでんき・バリューでんき・エバーグリーン・ソフトバンクでんきは、当サイトが確認した家庭向けプランの約款・重要事項説明書に、容量拠出金の別建て請求が見当たりませんでした。 別建てが無いことは、費用を負担していないことや、電気代が安いことを意味しません。単価表の金額にすでに含めているか、確認していない別のプランで別建て請求がある可能性もあります。
明細のどこに載りますか?
単価表(公式サイトの料金表)には出ません。明細では別の行、または基本料金の内訳として説明されます。

出典:HTBエナジー「ベーシックプラン」「容量拠出金反映額単価のお知らせ」。図の構成は当サイト
HTBエナジーの公式サイトの料金表は、基本料金と電力量料金だけを載せ、「容量拠出金反映額」を含まないと注記しています。 この項目は明細の別の行に載るので、単価表だけを見て他社と比べると、請求額をその分低く見積もることになります。
会社によって説明のしかたも違います。みんな電力は、料金の説明ページで容量拠出金を「基本料金の内訳」の1つとして示しています。 自分の明細でどう表示されるかを確かめるには、契約している会社の「料金の内訳」「重要事項説明書」を開き、「容量拠出金」「容量拠出金反映額」「容量拠出金相当額」「安定供給管理費」のいずれかの言葉を探してください。
いつからいつまでの制度ですか?
容量拠出金の請求は2024年度に始まりました。単価はいまも会社ごとに見直されています。将来どうなるかは予測しません。
広域機関の説明では、2024年度以降、会員である小売電気事業者に年間ピーク時のkWシェア等に応じて容量拠出金の請求額が通知されています。 一般送配電事業者・配電事業者の負担割合は、2024年度が6%、2025年度以降は8%です(エリアの約定価格×H3需要に乗じる率)。
制度に終了年度の定めはありません。容量市場は年度ごとにオークションを開いて供給力を確保する仕組みで、対象の実需給年度が変わるたびに単価が見直される、続いていく制度です。
各社が公表する単価は、この記事で見た範囲では次のように更新されています。
- HTBエナジー・Japan電力:毎月(2026年9月分まで確認)
- みんな電力:毎月(2026年9月分まで確認)
- Looopでんき:2026年4月時点の単価(その後の更新告知は確認できていません)
- ストエネ:8月分の請求として9月分に反映(2026年8月分=8月検針日〜9月検針日前日)
「これから上がる・下がる」は予測しません。いまの単価が何月分(何年度分)かを、お知らせの日付で確かめることが確認の基本です。
容量拠出金は電気代の順位にどう影響しますか?
容量拠出金だけで、単価表の順位が入れ替わることがあります。

出典:各社の約款・料金表と2026年9月分の容量拠出金・調整単価から当サイトが計算
関東の家庭向けで金額を出せるプラン(3〜4人家族・日中は誰もいない・40A・360kWhの目安)を、容量拠出金を足す前の金額で並べ替えた場合と、足した後の総額で並べ替えた場合を比べました。
- HTBエナジーは容量拠出金を足す前なら16,916円で、エバーグリーン(17,219円)より安い側でした。容量拠出金332円を足すと17,248円になり、エバーグリーンより高くなります
- みんな電力も同じ理由で、PinTでんき(13,396円)と順位が入れ替わります。容量拠出金を足す前は13,029円で安い側、足した後は13,469円でPinTでんきより高くなります
基本料金・電力量料金・調整費・再エネ賦課金・国の支援はどちらの会社も同じ条件で計算しています。 差はすべて容量拠出金の分だけです。単価表だけで会社を選ぶと、この加算の分だけ実際の請求額の順位とずれることがあります。
この結果は今月・この条件での比較です。乗り換えを決める前に、使用量が違えば結果も変わることと、解約金の有無(記事末のFAQで会社ごとに説明しています)を確かめてください。
同じ使用量で、いまの契約と比べるなら比較ページでエリアといまの会社を選んでください。会社名だけでは料金を特定できないので、いまの契約との差額は、プランが分かったときに出します。 なお、電気代は容量拠出金だけでなく毎月変わる調整費(燃料費調整額)でも順位が変わります。あわせて確認してください。
店舗・事業所(低圧)の容量拠出金は、家庭と違いますか?
契約のしかたが違います。家庭は契約アンペア÷10か固定のkWでみなしますが、法人は契約kVA・kWがそのまま使われます。
HTBエナジーの法人向け(LOVE地球 Biz/Power)は、交付書面で「契約容量1kVAを1kWに換算する」と定めています。 家庭向けのように「3kWとみなす」扱いではなく、実際の契約容量(kVA・kW)で計算されるので、契約が大きい店舗・事業所ほど金額も大きくなります。
東名(オフィスでんき119)は、2026年度の容量拠出金相当額単価を154円/kWと案内しています。 仮に契約10kVAの店舗なら、154円×10kVA=1,540円/月です(当サイトの計算。実際の契約容量で変わります)。
店舗・事業所の請求書で見るところは家庭と同じです。「容量拠出金」「容量拠出金反映額」「容量拠出金相当額」の行と、契約kVA・kWを確かめてください。 契約容量と使用量が分かれば、店舗・事業所の低圧の比較で容量拠出金まで足した金額を並べられます。
まとめ
- 容量拠出金は容量市場(将来の供給力を確保する国の制度)の費用。払うのは電気事業者で、電気料金に反映するかは会社の判断
- 関東の家庭向けだけでもHTBエナジー・Japan電力・みんな電力・ストエネなどが別建てで請求し、40Aの目安で月219〜477円(2026年9月分)
- 単価表(公式サイトの料金表)には出ない。明細では別の行か、基本料金の内訳として説明される
- 請求は2024年度に始まった。将来の単価は予測しない
- この加算だけで、単価表の順位と総額の順位が入れ替わることがある
自分のエリアといまの会社を選ぶと、容量拠出金の有無と2026年9月分の金額が並ぶのが比較ページです。