この記事の結論
1. 契約アンペアの目安は世帯で3段階(30A・40A・50A)。ただし関西・中国・四国・沖縄は「最低料金制」でアンペアを聞かれません。
2. アンペアを1段(10A)下げると、関東では月312円・年3,741円下がります(2026年9月分。エリアで金額は変わります)。
3. 同じ条件(3〜4人家族・40A・360kWh)なら、アンペアを下げるより会社を替えるほうが年8,124円と大きいことがあります(2026年9月分・関東)。
順位・金額は月で変わります。「◯◯社が最安」と固定しないでください。予測はしていません。
自分のエリアと世帯人数で、電気料金を比べる
必要な契約アンペアを判定するツールではなく、料金の比較です。明細がなくても、世帯人数から目安の使用量で試算します。
契約アンペアが基本料金で決まるプランなら、アンペアを下げると基本料金はそのぶん下がります。 これは節電と違って、生活を変えなくても効く方法です。
一方で、下げすぎると同時に使う家電の電流が足りなくなり、ブレーカーが落ちます。 そして実は、アンペアを下げるより電力会社を替えるほうが、金額の効果が大きいことがあります。
まず、電気料金の明細(「電気ご使用量のお知らせ」)で、契約しているプラン名と契約アンペアを確認してください。 プランによってはアンペアの概念が無く、下げても金額が変わらないことがあります(詳しくは記事末尾のFAQ)。 この記事では、対応エリア・世帯別の目安・同時使用でブレーカーが落ちる条件・下げたときの実額を、すべて公式資料とメーカー仕様の数字で計算します。
契約アンペアは、どのエリアでも聞かれますか?
いいえ。関東・北海道・東北・中部・北陸・九州の6エリアはアンペア制ですが、関西・中国・四国・沖縄の4エリアは「最低料金制」でアンペアを聞かれません。
契約アンペアは、電力会社ごとに決まっているわけではなく、エリアの標準的な料金メニューがどちらの仕組みかで決まります。
| 仕組み | エリア(大手電力) | 決まり方 |
|---|---|---|
| アンペア制 | 北海道・東北・関東・中部・北陸・九州 | 契約アンペア(10〜60A)× 単価 |
| 最低料金制 | 関西・中国・四国・沖縄 | 一定の使用量(10〜15kWh)まで定額の最低料金 |
最低料金制の4エリアでは、使用量が少ない月ほど最低料金の割合が大きくなります。目安は次のとおりです(各社の従量電灯A等)。
| エリア(大手電力) | 最低料金 | 含まれる使用量 |
|---|---|---|
| 関西(関西電力) | 522.58円 | 15kWhまで |
| 中国(中国電力) | 759.68円 | 15kWhまで |
| 四国(四国電力) | 666.89円 | 11kWhまで |
| 沖縄(沖縄電力) | 643.05円 | 10kWhまで |
この4エリアにお住まいの方は、次の「アンペアの目安」と「1段下げるといくら」は関係ありません。 使用量そのものを見直すか、会社を替える方向で検討してください。
ここから先は、アンペア制の6エリアの話です。
契約アンペアの目安は、世帯でどう違いますか?
世帯構成で3段階に分かれます。一人暮らしは30A、2人暮らし〜4人家族は40A、5人以上は50Aが目安です。

これは当サイトの診断(後述)が、使用量が分からない人の代わりに使っている想定値で、世帯人数と日中の在宅時間から目安の使用量・アンペアを決めています。人数だけで契約アンペアを確定できるわけではありません。 在宅時間が長い世帯ほど、同時に使う家電が増えやすいため、同じ人数でも目安が上がることがあります。
人数だけでは決まりません。次に、実際に同時に使う家電を足して確認してください。
同時に使う家電の合計で、ブレーカーが落ちることはありますか?
あります。冬の朝に主な家電を同時に使うと、合計は約45.8A。40A契約なら落ちる可能性があります。
契約アンペアは、その家で同時に流せる電流の上限です。超えるとアンペアブレーカーが落ち、家じゅうの電気が止まります。 計算はこうです。100Vの家電なら、消費電力(W)÷ 100 = アンペア(A)。

主な家電の消費電力(メーカー仕様)は次のとおりです。「定格」は通常運転時、「最大」はいちばん電力を使う設定、「年間の平均」は24時間動き続ける前提の平均値で、意味が違います。 お使いの機種はカタログや本体の表示でご確認ください。この表の合計だけで契約アンペアを決められるわけではありません。
| 家電 | 消費電力の目安 | アンペア |
|---|---|---|
| 電子レンジ(定格) | 1,320W | 13.2A |
| ヘアードライヤー | 1,200W | 12A |
| IHクッキングヒーター(卓上・1口・最大) | 1,400W | 14A |
| 電気衣類乾燥機(乾燥中) | 1,335W | 13.4A |
| 炊飯器(炊飯中) | 1,100W | 11A |
| エアコン(暖房・10畳用機種の定格) | 690W | 6.9A |
| エアコン(冷房・10畳用機種の定格) | 515W | 5.2A |
| テレビ(55V型) | 190W | 1.9A |
| 冷蔵庫(年間の平均) | 38W | 0.4A |
| 照明(LED・14畳用シーリングライト1台) | 40W | 0.4A |
電子レンジ・ドライヤー・IH・衣類乾燥機など、熱や光を作る家電が電流を多く使います。 冷蔵庫・テレビ・照明は、常時使っていても合計への影響はわずかです。
いちばん電気を使う場面を思い浮かべてください。多くの家庭では冬の朝か夏の夕方です。 上の表のエアコン(暖房)・電子レンジ・炊飯器・ヘアードライヤー・テレビ・冷蔵庫・照明を足すと、合計は約45.8A(4,578W)になります。 これが同時に起これば、40A契約では落ちる可能性があります。50A契約なら収まります。
ただし現実には、電子レンジと炊飯器とドライヤーが完全に同時とは限りません。時間をずらせるなら、より小さい契約でも足ります。 目安は、同時に使う最大の組み合わせ+10A程度の余裕です(当サイトの目安。余裕の大きさを保証する公的な基準はありません)。
アンペアを1段下げると、月いくら下がりますか?
関東では10A下げるごとに月312円、年3,741円下がります(2026年9月分)。金額はエリアで変わります。
必要な容量を確認できたら、実際に下げたときの金額を見てみましょう。以下は各エリアの大手電力・従量電灯Bを例にした差額です。契約中のプラン・アンペアによって実際の金額は変わります。

基本料金は契約アンペアに比例するため、どの段から下げても10Aあたりの差額は同じです。エリアで単価が違うため、年間の差額も変わります。
| エリア(大手電力) | 10Aごとの差額(月) | 10Aごとの差額(年) |
|---|---|---|
| 北海道(北海道電力) | 418円 | 5,016円 |
| 東北(東北電力) | 370円 | 4,435円 |
| 関東(東京電力) | 312円 | 3,741円 |
| 中部(中部電力ミライズ) | 321円 | 3,854円 |
| 北陸(北陸電力) | 303円 | 3,630円 |
| 九州(九州電力) | 316円 | 3,795円 |
年間の金額は、月の差額が12か月続いた場合の参考値で、今後1年間の節約額を保証するものではありません。使用量には一切関係なく、毎月かかる基本料金の部分だけが減ります。
アンペアを下げるより、会社を替えるほうが安くなりますか?
2026年9月分の関東の試算では、同じ条件(3〜4人家族・40A・360kWh)で比べると、電力会社を替えるほうが差額の大きいケースがあります。

基本料金は契約アンペアだけで決まりますが、電気代の請求額は基本料金・電力量料金・毎月変わる調整費(燃料費調整額)・再エネ賦課金を合計したものです。 比較元は東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」、比較先は2026年9月分の実額で1位だったTERASELでんき(エネクスライフサービス)の「超TERASEL東京B」です。特典・解約金は含んでいません。 会社を替えると請求額の合計全体が変わるため、アンペアダウン1つより効果が大きくなることがあります。この年間換算も、月額差が12か月続くと仮定した参考値です。
今月の1位は毎月変わります。「◯◯社が最安」と固定しないでください。
オール電化の家は、アンペアを下げないほうがいいですか?
はい、他の世帯より慎重に確認してください。卓上・1口タイプのIHクッキングヒーターだけで最大14A、40A契約の3分の1以上を使います。
たとえば卓上型のIHクッキングヒーター(1口・最大1,400W)に、エアコンの暖房(690W)・炊飯器(1,100W)・冷蔵庫・照明を合わせると、合計は約32.7A(3,268W)になります。 ビルトイン型で複数口のIHクッキングヒーターは200V配線で、消費電力・電流の数え方も卓上型(100V・1口)とは異なります。ここに挙げた32.7Aはあくまで卓上型1口の例で、複数口のオール電化住宅ではさらに大きくなり、正確な必要容量は契約先の電力会社や工事業者に確認してください。
パナソニックの卓上IH調理器は、最大1,400Wから1,000Wに切り替える「1,000Wセーブモード」を備えており、 公式サイトでも食事中にブレーカーが落ちる心配を減らせると説明しています。
まとめ
- 契約アンペアが関係するのは、アンペア制の6エリア(北海道・東北・関東・中部・北陸・九州)だけです。まず電気料金の明細でプラン名と契約アンペアを確認してください
- 世帯の目安は3段階(一人暮らし30A・2〜4人家族40A・5人以上50A)ですが、出発点にすぎません
- 同時に使う家電の合計+10A程度の余裕で、実際に必要な容量を確認してください
- 1段(10A)下げると、関東で年3,741円下がります(参考値。金額はエリアで変わります)
- 同じ条件なら、電力会社を替えるほうが効果が大きいことがあります(2026年9月分・関東の例で年8,124円)。オール電化は特に慎重に確認してください
自分のエリアと世帯人数で、電気料金を比べてみてください(契約アンペアの判定ではなく、料金の比較です)。また、店舗・事業所の契約容量(kVA・kW)を見直したい方は、契約容量の見直し方も参考にしてください。