店舗・事業所向け

契約容量1kW下げると月いくら下がる?全国2026年9月分

公開 2026年9月1日 / 最終更新 2026年9月26日

この記事の結論

1. 動力(低圧電力相当)の契約を1kW下げると、関東では月1,098円・年13,177円下がります(2026年9月分。エリアで単価は変わり、北海道が最大の月1,413円)。

2. 「容量を下げる」(いまの会社のまま)と「会社を替える」は別の手です。店舗の例(動力10kW・月700kWh)では、両方やると月2,898円・年34,776円下がりました。

3. 下げすぎると、契約主開閉器が作動して停電します。ピーク時に同時に使う電力の合計を確認してから下げてください。

金額は2026年9月分の単価で計算した試算です。順位・単価は月で変わるため、予測はしていません。

店舗・事務所の条件で、電気料金を比べる
明細の契約容量(kVA・kW)と使用量(kWh)を入れると、いまの会社と他社を同じ条件で比べます(料金の比較で、下げられる容量を判定するものではありません)。

電気代を見直すとき、多くの方は「どの電力会社が安いか」から比較を始めます。しかし店舗・事務所の場合、契約容量(kVA・kW)の見直しのほうが先に効くことがあります。

理由は単純です。基本料金は使用量に関係なく毎月かかり、契約容量が実際のピーク使用量より大きいままだと、そのぶんが無駄になります。

まず、電気料金の明細で「契約容量」または「契約電力」の欄を確認してください。 この記事では、全国10エリアの旧一般電気事業者(旧一電)の単価から「1kVA・1kW下げると月いくら下がるか」を計算し、契約容量の決まり方、実際に下げられるかの確認方法、会社を替える場合との比較まで、すべて公式資料の数字で確認します。

対象は店舗・事務所の低圧契約(電灯6kVA以上・動力50kW未満)です。 ご家庭の契約アンペアは契約アンペアの目安、原則50kW以上の高圧契約はこの記事の試算の対象外です。

全国10エリアで、1kVA・1kW下げると基本料金は月いくら下がりますか?

動力(低圧電力相当)を1kW下げると、関東では月1,098円・年13,177円下がります。エリアでいちばん大きいのは北海道(月1,413円)、いちばん小さいのは九州(月1,023円)です(2026年9月分)。

全国10エリアの旧一電で、動力(低圧電力相当)を1kW下げたときの基本料金の下がり幅。北海道1,413円が最大、九州1,023円が最小(2026年9月分)

店舗・事務所の低圧契約には、たいてい電灯(従量電灯C相当)と動力(低圧電力相当)の2つがあります。動力のほうが基本料金の単価が高く、下げたときの効果も大きくなります。

エリア(旧一電)電灯(従量電灯C相当)
1kVA下げると
動力(低圧電力相当)
1kW下げると
北海道(北海道電力)月418円(年5,016円)月1,413円(年16,957円)
東北(東北電力)月370円(年4,435円)月1,301円(年15,611円)
関東(東京電力)月312円(年3,741円)月1,098円(年13,177円)
中部(中部電力ミライズ)月321円(年3,854円)月1,204円(年14,450円)
北陸(北陸電力)月303円(年3,630円)月1,227円(年14,718円)
関西(関西電力)月447円(年5,367円)月1,133円(年13,593円)
中国(中国電力)月448円(年5,376円)月1,164円(年13,967円)
四国(四国電力)月397円(年4,765円)月1,184円(年14,205円)
九州(九州電力)月316円(年3,795円)月1,023円(年12,279円)
沖縄(沖縄電力)契約容量は料金に無関係(最低料金制)月1,394円(年16,726円)

沖縄電力だけ、電灯(店舗・事務所も家庭と同じ従量電灯)が最低料金制で、契約容量の大小は料金に影響しません。 動力(低圧電力)は沖縄も含めて全エリアが契約電力(kW)に応じた基本料金です。

年間の金額は、月の差額が12か月続いた場合の参考値です。使用量には関係なく、毎月かかる基本料金の部分だけが減ります。

なお、一部の新電力は基本料金のほかに、単価表に載らない「容量拠出金」を契約容量(kVA・kW)にかけて別建てで請求します。たとえばHTBエナジーは1kVA(1kW)につき110.78円(2026年9月分。基礎額122.00円+調整額▲11.22円)です。会社を替えるときは、この項目が単価表の外にあることも確認してください。

契約容量はどうやって決まりますか?(主開閉器契約・負荷設備契約)

「主開閉器契約」ならブレーカーの容量、「負荷設備契約」なら機器の合計で決まります。同じ10kWでも、主開閉器契約のほうが下げられる余地が大きいことがあります。

契約容量の2つの決め方。主開閉器契約はブレーカーの容量、負荷設備契約は機器の合計に係数を掛けて決まる(東京電力の説明にもとづく図)

主開閉器契約は、契約主開閉器(ブレーカー)の容量(定格電流値)をもとに決まります。多数の機器を持っていても、すべてを同時には使わない場合、主開閉器契約を選ぶことで契約容量が下がることがあります(東京電力エナジーパートナー)。三相200Vの場合の式は次のとおりです。

契約電力(kW)= 定格電流(A)× 電圧(V)× 1.732 ÷ 1000

50Aの主開閉器・三相200Vなら、50 × 200 × 1.732 ÷ 1000 = 17.32kW です。実際の契約では、この計算結果を整数kWに丸めて契約電力とします(東京電力エナジーパートナーの算定例)。

負荷設備契約は、つないでいる電気機器をあらかじめ設定し、その総容量(入力)に一定の係数を掛けて決まります。同時に使う実態ではなく、設備の合計で決まるため、使っていない機器の分も含まれることがあります。

いまの契約がどちらの方式かは、契約中の電力会社に確認できます(東京電力エナジーパートナーの場合はカスタマーセンター)。負荷設備契約になっている場合、主開閉器契約に切り替えると契約容量が下がることがあります。

家庭のアンペア契約についても同じ考え方が使えます。詳しくは契約アンペアの目安と、下げる前に確認することをご覧ください。

実際にどれだけ下げられるかは、どう確認しますか?

明細の使用量だけでは、安全に下げられる容量は決まりません。同時に使う機器の洗い出しと、ピーク時の実測値の両方を確認してください。

契約容量は、その店舗で同時に流せる電力の上限です。東京電力エナジーパートナーは、主開閉器契約について次のように注意しています。

同時に使用する機器の総容量が契約主開閉器の定格電流値を上回る場合には、契約主開閉器が作動し停電するおそれがあります。

確認する手順は次のとおりです。

  1. 電気料金の明細で、いまの契約容量(kVA・kW)と契約方式を確認する
  2. 動力にぶら下がる機器を洗い出す——業務用エアコン、冷蔵・冷凍庫、製氷機、食洗機など
  3. 繁忙期・仕込みの時間帯など、同時に動く組み合わせを確認する——起動時に大きな電流が流れる機器(モーター類)は、通常運転時より瞬間的な負荷が大きいことがあります
  4. スマートメーターの30分値があれば、実測のピークを確認する——東京電力エナジーパートナーの法人向けサービス「ビジネスTEPCO」では、低圧の動力契約でも30分値をCSVでダウンロードできます
  5. 1〜4をもとに、電気工事店・契約中の電力会社に相談する——起動時の負荷を含めた判断は、本文の確認方法だけでは決め切れません

この記事の確認方法は、下げられる可能性の見当をつけるためのものです。実際に安全かどうかの最終確認は、電気工事店・契約中の電力会社に相談してください。

容量を下げるのと、会社を替えるのは、どちらが効きますか?

店舗の例(動力10kW・月700kWh)では、容量を8kWへ下げると月2,196円、会社を替えると月939円、両方やると月2,898円下がる試算になりました(2026年9月分・関東)。

店舗の例で、容量だけ下げる・会社だけ替える・両方やる場合の月額を比較。両方やると差が最も大きい(動力10kW→8kW・700kWh・2026年9月分の試算)

以下は、設備を確認したうえで8kWへ変更できると仮定した試算で、実店舗の削減実績ではありません。 想定は動力の契約10kW・使用量700kWh/月の店舗です。実際の金額は、明細の契約容量と使用量で計算し直してください。

契約会社月額(試算)現状との差
現状10kW東京電力(低圧電力)25,233円—
容量だけ下げる8kW東京電力(低圧電力)23,036円▲2,196円
会社だけ替える10kWCDエナジーダイレクト(CD低圧電力プラン)24,294円▲939円
容量も下げて会社も替える8kWCDエナジーダイレクト(CD低圧電力プラン)22,335円▲2,898円

関東・2026年9月分の条件で、基本料金・電力量料金・調整費(燃料費調整額)・再エネ賦課金・国の支援を含めて計算しています。容量変更にかかる工事費は含みません。 「会社だけ替える」「両方」の比較先は、同じ条件(動力・10kWまたは8kW・700kWh)でこの記事のデータベース上1位だった会社で、特典・容量拠出金の有無は会社ごとに異なります。

この2つは別の手です。 容量を下げるのは、いまの会社のまま基本料金の単価×契約容量を減らす方法です。会社を替えるのは、基本料金・電力量料金・調整費をまとめて別の会社の単価に置き換える方法です。この店舗の例では容量を下げる効果のほうが大きくなりましたが、使用量や契約容量、対象月によって変わります。

会社を替える場合は、その会社の調整費に上限があるかどうかも確認してください。上限の種類(法令か約款か)は燃料費調整額の上限がある会社・ない会社、毎月変わる調整費のしくみ自体は燃料費調整額とはで説明しています。

明細の契約容量と使用量で、電気料金を比べてみる

料金の比較であって、安全に下げられる容量を判定するものではありません。容量の確認は前の見出しの手順で行ってください。

今月の1位は毎月変わります。「◯◯社が最安」と固定しないでください。

契約容量を変更する手続きはどうすればいいですか?

変更方法は契約している会社・契約方式で変わります。まず契約中の電力会社に窓口を確認してください。東京電力エナジーパートナーの例では、電気工事店を通じて申し込みます。

ご使用になる動力機器を増設・減設をされる場合や、ご契約の算定方法を変更される場合は、ご契約の見直しが必要となります。お手数ですが、電気工事店さまを通じて当社までお申し込みをいただきますようお願いいたします。

問い合わせるときは、次を用意すると話が早く進みます。

  • 電気料金の明細(お客さま番号・供給地点特定番号・現在のプラン名と契約容量)
  • 契約方式の希望(主開閉器契約に変更したい、など)
  • 希望する契約容量(前の見出しで確認した、同時に使う電力の合計+余裕分)

そのうえで、次を確認してください。

  • 工事の要否と総費用
  • 変更が反映される日
  • 作業中に停電するか
  • いったん下げたあと、再変更に制限があるか

問い合わせの例: 「現在の契約容量を見直したいです。算定方式(主開閉器契約・負荷設備契約)と、変更に必要な工事・費用・期間を教えてください。」

一律の費用・日数は公式ページに書かれていません。工事が発生するかどうかは契約の内容によって変わるため、契約中の電力会社(または取引のある電気工事店)に確認してください。

なお、これは「いまの会社のまま契約容量を変える」手続きです。電力会社そのものを替える場合は、新しい会社への申込みが別途必要ですが、送配電網は変わらないため工事は原則不要で、いまの会社への解約連絡も新しい会社が行います(資源エネルギー庁)。容量の変更(設備工事が必要な場合がある)と、会社の切り替え(工事は原則不要)は別の手続きです。

まとめ

  1. 対象は店舗・事務所の低圧契約(電灯6kVA以上・動力50kW未満)です。動力(低圧電力相当)を1kW下げると、関東で年13,177円下がります(2026年9月分。エリアで単価は変わり、北海道が最大)
  2. 沖縄電力の電灯(従量電灯)は最低料金制で、契約容量を下げても基本料金は変わりません
  3. 契約容量の決め方には「主開閉器契約」と「負荷設備契約」があり、負荷設備契約は使っていない機器の分も含まれることがあります
  4. 下げられる容量は、明細の使用量だけでは決まりません。同時に使う機器の洗い出しと、30分値などの実測ピークの両方を確認してください
  5. 「容量を下げる」(いまの会社のまま)と「会社を替える」は別の手で、両方やると差が大きくなることがあります(店舗の例で月2,898円。料金比較は容量の安全性を判定するものではありません)
  6. 容量の変更は契約中の電力会社・電気工事店への相談から始まります。明細・希望の契約方式・希望容量を用意し、工事の要否・総費用・変更日・作業中の停電・再変更の制限を確認してください

明細の契約容量と使用量を入れて、電気料金を比べてみてください。家庭の契約アンペアを見直したい方は、契約アンペアの目安も参考にしてください。

よくあるご質問

Q. 契約容量を下げると停電しやすくなりますか。

A. 同時に使う電力が契約容量を超えると、契約主開閉器(ブレーカー)が作動して停電します(東京電力エナジーパートナー)。ピーク時に同時に使う電力の合計を確認し、余裕を見て下げれば落ちにくくなりますが、確認しても絶対に落ちないとは保証できません。機器の起動時の負荷まで含めた最終確認は、電気工事店・契約中の電力会社に相談してください。

Q. 契約容量の変更に費用や日数はどれくらいかかりますか。

A. 東京電力エナジーパートナーの例では、動力機器の増減や算定方法の変更は電気工事店を通じて申し込みます。費用や日数は工事の有無によって変わり、公式ページにも一律の金額・日数は書かれていません。契約中の電力会社に確認してください。

Q. 「容量を下げる」のと「会社を替える」は同時にできますか。

A. できます。この記事の店舗の例では、動力の契約を10kWから8kWへ下げるのと、他社へ切り替えるのを両方やると、どちらか一方だけより差額が大きくなりました。ただし切り替え先の会社で希望の契約容量に対応しているかは、申込み前に確認してください。

Q. 沖縄など最低料金制のエリアでも、契約容量を下げると安くなりますか。

A. 電灯(店舗・事務所の照明やコンセント)は、沖縄電力の従量電灯が最低料金制のため、契約容量を下げても基本料金は変わりません。動力(低圧電力)は沖縄電力も契約電力(kW)に応じた基本料金なので、下げると差が出ます。

Q. 下げたあと、必要になったら容量を元に戻せますか。

A. 増設と同じ「ご契約の見直し」の手続きになります。この記事で紹介した東京電力エナジーパートナーの例では、動力機器の増設・減設のどちらも電気工事店を通じた申込みが必要で、再変更に制限があるかどうかは会社によって異なります。下げる前の問い合わせ時に、元に戻す場合の条件もあわせて確認してください。

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出典

料金・調整費は各社が変更します。上記の確認日以降に改定されている場合があります。 申込前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。 本記事の最終更新: 2026年9月26日。