この記事の結論(一次資料で確認できた事実だけ)
1. 東京電力・四国電力は2023年6月1日、規制料金の基準そのものを値上げしました(東京電力は平均15.90%、四国電力は平均28.74%)。
2. 再エネ賦課金は2013年度0.35円から2026年度4.18円/kWhへ、政府支援は2026年9月分4.50円から10月分3.50円/kWhへ縮みました。使う量が同じでも、2026年10月分は9月分より432円上がります。
3. これから上がるか下がるかは、当サイトでは予測しません。過去に確定した実額だけを並べています。
いまの会社を選んで、今月の実額を確かめる
全国10エリアで、2026年9月分の試算を並べます。店舗・事業所の方は低圧の比較へ。
「電気代が高くなった気がする」というとき、原因は1つではありません。会社が国の認可を受けて基準の料金そのものを上げた場合と、毎月変わる調整費や、全社共通の賦課金・政府支援が動いた場合があります。
エネチェックは電力会社ではない比較サイトです。数字は各社のお知らせ・約款・官公庁の資料から取得元つきで登録しています(編集方針)。これから上がるか下がるかは予測せず、確定した実額だけを並べます。
いつ・何が上がったか / 来月いくら変わるか / 全国10エリアの現況
電気代は、いつ・何が・いくら上がったのですか?
主な理由は3つです。2023年6月1日の規制料金の値上げ、年々上がる再エネ賦課金、そして毎月変わる調整費や政府支援の縮小です。
このうち、いつ・いくらと日付が特定できる代表例が、2023年6月の規制料金の値上げです。まずここから見ます。

出典:東京電力エナジーパートナー・四国電力の各プレスリリース(2023年5月19日発表)
東京電力は2023年1月に規制料金の値上げを経済産業大臣に申請し、審議と公聴会を経て、2023年5月19日に認可されました。2023年6月1日から、平均15.90%の値上げです。 同じタイミングで、四国電力は平均28.74%(託送料金の見直し分を除くと24.10%)でした。
値上げしたのは、燃料の輸入価格が基準を大きく超え続け、会社の負担では吸収しきれなくなったためです(東京電力・四国電力の各プレスリリース)。 値上げの対象は従量電灯など規制料金で、自由料金(スタンダードプランなど)は各社が別に見直しました。
規制料金の値上げのほかに、電気代を押し上げる要因はもう2つあります。全社共通で毎年変わる再エネ賦課金と、全社共通で毎月変わる政府の支援です。次の章から、実額で見ていきます。
燃料費調整の単価そのものも、大きく動いてきましたか?
動いてきました。同じ東京電力の従量電灯Bで、マイナスとプラスを繰り返しています。

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ」各月分
燃料費調整(調整費)は、燃料の輸入価格の上下を3〜5か月遅れで電気代に足し引きする項目です。燃料が基準より安い月はマイナス(値引き)、高い月はプラス(上乗せ)になります。
東京電力の従量電灯Bでは、平成28年(2016年)1月分が▲1.73円/kWh、6年後の2022年1月分もまだ▲0.53円/kWhとマイナスのままでした。 ところがその1年後、2023年1月分には**+5.13円/kWh**まで跳ね上がりました。マイナスからプラスへの反転は、長くは続かず短期間で起きています。
2026年9月分は▲6.46円/kWh、10月分は▲5.80円/kWhと、いまはまた値引き側です。調整費は毎月変わるので、「値上げされた・値引きされた」は月ごとに判断する必要があります。 会社ごとの今月の単価は燃料費調整額で並べています。
何もしなくても、来月の請求は上がりますか?
上がることがあります。使う量が同じでも、調整費の変化と政府支援の縮小を合わせて請求は増えます。
計算条件:東京電力 従量電灯B・30A・月260kWh(同じ使用量)で、2026年9月分と10月分を比較します。

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ」、国の電気・ガス料金支援。試算は当サイト
2026年9月分は7,844円、10月分は8,276円で、差は**+432円**です。内訳は2つあります。
- 調整費の変化:9月分▲6.46円/kWhから10月分▲5.80円/kWhへ、値引きが少し小さくなった分+172円
- 政府支援の縮小:9月分4.50円/kWhから10月分3.50円/kWhへ、値引きの単価が下がった分+260円
値上げの申請が無くても、この2つが動くだけで請求は上がります。 この試算は同じ条件でのモデル計算で、実際の増減は使用量や契約プランによって変わります。
再エネ賦課金も、全社共通で年々上がってきた項目です。2013年度は0.35円/kWhでしたが、2026年度は4.18円/kWhです。 260kWhで計算すると、月91円から1,087円へ、13年で996円増えています(途中の2023年度だけ一時的に下がった年があります)。賦課金の仕組みと年度ごとの推移は再エネ賦課金とは?で説明しています。
値上げの影響は、どの契約でも同じですか?
同じではありません。規制料金には国の認可が要る「法令の上限」があり、自由料金の多くにはありません。
上限とは、燃料価格がどれだけ上がっても、一定の値で計算を止める仕組みです。上限があるプランは、燃料が急に上がった月ほど差が大きく出ます。

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ(2023年1月分)」。試算は当サイト
燃料が大きく上がった2023年1月分、同じ東京電力で、上限のある従量電灯Bは+5.13円/kWh、上限のないスタンダードSは+12.99円/kWhでした。 1kWhあたり7.86円の差は、月260kWhで2,044円になります。同じ値上がりでも、上限の有無で効き方がまったく違います。 この2,044円は調整費だけの差で、基本料金などを含む請求総額の差ではありません。
2026年9月分も、この上限は昔の話ではありません。 下の表は全国10エリアの規制料金の今月(2026年9月分)の調整単価で、前月との差ではなく、いまの水準です。このうち関西と九州は、法令の上限に達した状態で計算されています。
| エリア | 規制料金 | 2026年9月分の調整単価 |
| 北海道 | 従量電灯B | ▲4.99円 |
| 東北 | 従量電灯B | ▲7.24円 |
| 関東 | 従量電灯B | ▲6.46円 |
| 中部 | 従量電灯B | +2.63円 |
| 北陸 | 従量電灯B | ▲6.67円 |
| 関西 | 従量電灯A | +2.24円*上限 |
| 中国 | 従量電灯A | ▲8.43円 |
| 四国 | 従量電灯A | ▲5.67円 |
| 九州 | 従量電灯B | +1.96円*上限 |
| 沖縄 | 従量電灯 | ▲10.27円 |
出典:大手電力10社の2026年9月分の燃料費調整単価のお知らせ(国の支援を除いた値)
上限の種類(法令か約款か)と、会社ごとの有無は燃料費調整の「上限」は、会社によって意味がまったく違うで見分け方を説明しています。 店舗・事業所の低圧も、1kWhあたりの単価は家庭と同じ仕組みです。使う量が多いぶん、差は金額として大きく出ます。
電気代が2倍になった、という話は本当ですか?
市場連動型プランでは実際に起きています。規制料金や大半の自由料金では起きていません。
2021年1月、寒波と燃料不足が重なり、卸電力市場(JEPX)の価格が跳ね上がりました。1月13日には1日平均価格が154.6円/kWh(当時の1日平均の過去最高)、1月15日には30分ごとの価格(システムプライス)が251.00円/kWhを記録しています。市場連動型プランを契約していた家庭・事業者の請求は高額になり、相談が相次ぎました(電力・ガス取引監視等委員会の検証資料)。
市場連動型は、電力量料金そのものが30分ごとの市場価格で決まる仕組みで、この記事で見てきた調整費とは別物です。 向き・不向きは市場連動型プランは誰に向いていて、誰に向かないのかで説明しています。
値上げされるのは4月からですか?
決まったタイミングはありません。値上げの種類ごとに時期が違います。
| 種類 | 変わる時期 |
| 規制料金の基準そのもの | 会社が申請し、国が認可した時期から(2023年6月など)。決まった月はない |
| 再エネ賦課金 | 毎年5月分から(経済産業省が3月に単価を決定) |
| 燃料費調整(調整費) | 毎月。3〜5か月前の燃料価格の平均で決まる |
| 政府の支援 | 期間ごとに単価が決まり、縮小・終了もそのつど発表 |
「4月に上がる」という思い込みは、規制料金の値上げの時期を一般化したものです。実際には年度替わりの4月に何かが自動的に変わる仕組みはありません。
値上げに気づいたら、まず何をすればいいですか?
まず、明細の「電気料金の明細(電気ご使用量のお知らせ)」で、前の年の同じ月と使用量(kWh)を比べます。
1. 使用量(kWh)が前年同月と近いか確認する。増えていれば使い方の影響もありますが、使用量と単価の両方が動いている場合もあります
2. 使用量が同じなのに金額が上がっていれば、単価・調整費・再エネ賦課金・政府支援のどれかが変わっています
3. 契約している会社に燃料費調整の上限があるか確認する。無ければ、燃料が急に上がった月にこの記事の2,044円のような差が出ます
自分のエリアといまの会社を選ぶと、2026年9月分の実額と上限の有無が並ぶのが比較ページです。会社名だけでは料金を特定できないので、いまの契約との差額はプランが分かったときに出します。
まとめ
- 東京電力・四国電力は2023年6月1日、規制料金の基準を値上げした(国の認可。東京電力は平均15.90%、四国電力は平均28.74%)
- 再エネ賦課金は2013年度0.35円から2026年度4.18円/kWhへ、政府支援は2026年9月分4.50円から10月分3.50円/kWhへ。どちらも全社共通
- 使う量が同じでも、調整費の変化と支援の縮小で2026年10月分は9月分より432円上がる
- 燃料費調整(調整費)は毎月動き、東京電力では2022年1月分までマイナス、2023年1月分にはプラスへ反転した
- 法令の上限があるかどうかで、値上がりの効き方は変わる。2026年9月分は関西・九州で上限が効いている
- これから上がるか下がるかは予測しない。過去に確定した実額だけを並べている
自分のエリアといまの会社を選ぶと、上限の有無と2026年9月分の実額が並ぶのが比較ページです。