ご家庭向け

炊飯器の保温、電気代1時間0.5円は何時間で逆転するのか

公開 2026年9月26日 / 最終更新 2026年9月26日

この記事の結論(2026年9月分・関東の試算)

1. 保温1時間の電気代は約0.5円(象印の代表機種)。24時間続けても約13円です。

2. 電子レンジで1杯(150g)を温め直す電気代は、冷蔵で約1円、冷凍で約2円。保温は冷蔵に対して約1〜1.5時間、冷凍に対して約2.9〜3.9時間を過ぎると、レンジより高くつきます。

3. 損益分岐の時間は、電気代の単価にはほとんど左右されません。エリアが変わっても機種の消費電力量(Wh)の比率で決まります。

目安の「約31円/kWh」ではなく、メーカーが公表する炊飯時・保温時の消費電力量と、当サイトの2026年9月分の単価で計算した目安です。ご家庭の炊飯器の実際の消費電力は機種・使い方で変わります。

自分のエリア・世帯で、今月の電気代を計算する
全国10エリアで、2026年9月分の試算を並べます。いまの契約が分かれば差額も出します。

この記事では、ご飯1杯(150g)を温め直す条件をそろえ、象印・パナソニック・タイガーの公式仕様ページにある「1回あたりの炊飯時消費電力量」「1時間あたりの保温時消費電力量」と、電子レンジ(パナソニック単機能レンジ)の取扱説明書にある温め直しの目安時間を在庫に登録し、2026年9月分のエリア別の実効単価で計算し直しています(実機で測定した値ではありません。数字の取得元は編集部が一次資料で確認しています。編集方針)。電子レンジの電気代は、定格消費電力(最大出力時の値)を使った上限寄りの目安です。

保温1時間といつ逆転するか / レンジの電気代を見る / 機種の違いを見る

保温1時間の電気代と、冷凍に負ける時間は?

保温1時間の電気代は約0.5円(象印の代表機種)。電子レンジで冷凍ご飯を温め直す電気代(約2円)を上回るのは、保温を続けて約3.2時間を過ぎたころです。

保温にかかる電気代は「1時間あたりの保温時消費電力量(Wh)×時間×単価」、レンジの電気代は「消費電力(W)×加熱時間×単価」で計算できます。目安の「31円/kWh」ではなく、当サイトの2026年9月分の実効単価(電力量料金の最後の段の単価+調整費+再エネ賦課金-国の支援)で計算しています。

代表機種として使うのは、象印マホービンの圧力IH炊飯ジャー「極め炊き」NP-ZS10(5.5合)です。仕様ページに「1時間あたりの保温時消費電力量15.5Wh」とあり、保温1時間の電気代は約0.52円になります。

温め直す側は、パナソニックの単機能レンジ「NE-EH227」(消費電力1.32kW)を例にします。取扱説明書の「レンジボタンで加熱するときの設定時間」の表には、常温・冷蔵のご飯1杯(150g)はレンジ700Wで約40秒〜1分、冷凍のご飯(固まり)1杯分(150g)はレンジ500Wで約2分〜2分30秒とあります。これを電気代に計算し直すと、冷蔵で約0.5〜0.7円、冷凍で約1.5〜1.9円です(この記事では範囲の中点を代表値として使います)。

保温1時間の電気代0.5円と、電子レンジで温め直す電気代(冷蔵約1円・冷凍約2円)を比べた棒グラフ(象印NP-ZS10、2026年9月分)

出典:象印マホービン「圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』」仕様(保温時消費電力量)、パナソニック「単機能レンジNE-EH227」仕様・取扱説明書(消費電力・加熱時間の目安)、東京電力エナジーパートナー(2026年9月分の単価)。計算は当サイト

1回あたりの電気代条件
炊飯器の保温(1時間)約0.52円象印NP-ZS10・保温15.5Wh/h
レンジで温め直す(冷蔵)約0.5〜0.7円1杯(150g)・700Wで約40秒〜1分
レンジで温め直す(冷凍)約1.5〜1.9円1杯(150g)・500Wで約2分〜2分30秒

出典:同上。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分

この記事の計算の前提:目安の世帯(3〜4人家族・日中は誰もいない・360kWh・40A)が、すでにその使用量で電気を使っているところに、炊飯器・レンジの消費電力量を上乗せしたときに請求額がどれだけ増えるかを計算しています。式そのものの組み立ては電気代の計算方法で説明しています。

保温を続けるほど1時間あたりの電気代が積み重なるため、次の章で6・12・24時間まで並べます。

保温を6・12・24時間続けると、電気代はいくらになりますか?

象印の代表機種で計算すると、保温6時間で約3円、12時間で約6円、24時間で約13円です。24時間の時点で、電子レンジで冷凍ご飯を温め直す電気代(約2円)の6倍を超えます。

保温1時間あたりの電気代は小さくても、時間を掛け合わせると積み重なります。下の図の破線は、電子レンジで冷凍ご飯を温め直す電気代(代表値)です。保温6時間ですでにこの線を超え、24時間ではさらに開きます。

象印NP-ZS10の保温を1・6・12・24時間続けたときの電気代。24時間では約13円になり、レンジで温め直す代表額約2円を大きく上回ることを示す棒グラフ

出典:象印マホービン「圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』」仕様、パナソニック「単機能レンジNE-EH227」仕様・取扱説明書、東京電力エナジーパートナー(2026年9月分)。損益分岐の時間は、単価によらず両機器の消費電力量(Wh)の比率で決まる。計算は当サイト

保温時間電気代(象印NP-ZS10)
1時間約0.52円
6時間約3円
12時間約6円
24時間約13円

出典:同上

これはあくまで炊飯器を保温したままにした場合の電気代だけの計算です。ご飯の風味やにおい・黄ばみといった品質面の変化は、この記事では計算していません(電気代以外の判断材料として、メーカーは長時間の保温を推奨していません。保温をやめたあとの保存方法や、機種ごとに保温できる時間は、お手元の取扱説明書で確認してください)。

毎日保温する習慣では、月いくらになりますか?

毎日6時間の保温を1か月続けると約94円、毎日12時間なら約188円です。12時間から6時間に短縮すると、1か月で約94円浮く計算です。

前の章の「1・6・12・24時間」は、1回だけ保温したときの増分でした。ここでは、その保温時間を毎日の習慣として1か月(30日)続けた場合の目安を計算します。

毎日の保温時間1か月の電気代(象印NP-ZS10)
6時間約94円
12時間約188円

出典:象印マホービン「圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』」仕様(保温時消費電力量)。東京電力エナジーパートナー(2026年9月分)。計算は当サイト

保温時間を毎日12時間から6時間に短縮できれば、1か月で約94円の差になります。逆にいえば、毎日の保温をこまめに切っている家庭でも、炊飯器の保温そのものが電気代に占める割合はもともと小さいことが分かります。

電子レンジで温め直す電気代はいくらですか?

パナソニックの単機能レンジ(消費電力1.32kW)で1杯(150g)を温め直すと、常温・冷蔵なら約0.5〜0.7円、冷凍なら約1.5〜1.9円です。

電子レンジの電気代は「消費電力(W)×加熱時間×単価」で計算します。この記事では、電子レンジの仕様ページにある消費電力(定格。最大出力時の値)と、取扱説明書にある加熱時間の目安をそのまま使っています。実際の加熱中の消費電力は出力設定によって変わるため、この記事の金額は上限寄りの目安です。

冷蔵ご飯と冷凍ご飯とで温め直す電気代が違うのは、出力(700Wと500W)と加熱時間の目安が異なるためです。取扱説明書では、常温・冷蔵のご飯は「レンジ700Wで約40秒〜1分」、冷凍のご飯(固まり)は「レンジ500Wで約2分〜2分30秒」とされています。

冷蔵庫で保存してすぐ食べる場合と、冷凍して後日食べる場合とでは、比較すべき保温時間の目安も変わります。保温をやめて冷蔵で保存する場合は約1〜1.5時間、冷凍して保存する場合は約2.9〜3.9時間(機種による幅は次の章で見ます)を境に、保温よりレンジのほうが安くなる計算です。

炊飯1回の電気代は、保温何時間分にあたりますか?

象印の代表機種で炊飯1回は約5円。これは保温を約9.3時間続けた電気代とほぼ同じです。

炊飯1回の電気代は「1回あたりの炊飯時消費電力量(Wh)×単価」で計算します。炊飯そのものは1回だけの出来事なので、保温のように時間で積み重なりません。逆にいえば、炊飯1回分の電気代は「保温を何時間続けた分に相当するか」という基準にもなります。

機種炊飯1回保温1時間あたり炊飯1回は保温何時間分か
象印 NP-ZS10(圧力IH)約5円約0.52円約9.3時間
パナソニック SR-FC108(IH)約5円約0.42円約11.7時間
タイガー JPI-A100(圧力IH)約6円約0.58円約9.9時間

出典:各社の商品仕様(炊飯時・保温時消費電力量)。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分。計算は当サイト

炊飯1回の電気代そのものは、1日に何度も発生するものではないため、保温の電気代ほど積み重なりません。電気代だけで見るなら、まとめて炊いて保温を短く切り上げ、残りは冷蔵・冷凍してレンジで温め直すほうが安くなる場面が多い計算です。

炊飯器の機種(圧力IH・IH・マイコン)で電気代は違いますか?

違います。5.5合クラスの3機種で比べると、保温24時間の電気代は約10〜14円、炊飯1回は約5〜6円でした。

この記事で仕様を確認できた5.5合クラスの3機種(圧力IH2機種・IH1機種)を並べると、保温にかかる消費電力量にも差がありました。いずれもメーカーの仕様ページに「1時間あたりの保温時消費電力量」が明記されている機種です。

圧力IH・IHの炊飯器3機種の保温24時間の電気代。象印約13円・パナソニック約10円・タイガー約14円の棒グラフ(2026年9月分)

出典:象印マホービン「極め炊き」、パナソニック「SR-FC108」、タイガー魔法瓶「ご泡火炊き」の商品仕様(保温時・炊飯時消費電力量)。東京電力エナジーパートナー(2026年9月分)。計算は当サイト

機種型式保温1時間あたりの消費電力量保温24時間炊飯1回
象印 NP-ZS10圧力IH・5.5合15.5Wh/h約13円約5円
パナソニック SR-FC108IH・5.5合12.6Wh/h約10円約5円
タイガー JPI-A100圧力IH・5.5合17.2Wh/h約14円約6円

出典:各社の商品仕様。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分

参考として、象印のマイコン炊飯ジャー「NL-BV05」(3合)の仕様も確認しました。保温1時間あたりの消費電力量は9.23Whで、電気代は約0.31円です。5.5合クラスの圧力IH・IH(約0.42〜0.58円)より安い結果でしたが、炊飯できる量が違う機種どうしの比較なので、同じ条件で選んだ結果ではありません。マイコン式か圧力IH・IH式かで迷う場合は、保温の電気代だけでなく、炊きあがりの好み・容量も含めて選ぶことになります。

自分の炊飯器で確かめるには、メーカーの製品ページ・取扱説明書の仕様表にある「1時間あたりの保温時消費電力量(Wh)」を探してください。最大消費電力(炊飯時の値)ではなく、保温時の値を使う点に注意します。見つかれば、この記事と同じ「Wh×時間×単価」の式で、自分の機種の保温の電気代を計算し直せます。

全国のエリアで、保温の電気代は違いますか?

違います。保温24時間は北陸・関西・九州の約11円から北海道の約15円まで開きます。ただし冷凍レンジとの損益分岐時間は、どのエリアでも約3.2時間です。

エリアによって、電力量料金や調整費(毎月変わる燃料費調整額)の単価が違うためです。ただし損益分岐の時間は、保温とレンジそれぞれの消費電力量(Wh)の比率だけで決まるため、単価の高い・低いにほとんど左右されません。

象印NP-ZS10の保温24時間の電気代を全国10エリアの規制料金で比べた棒グラフ。北海道約15円から北陸・関西・九州約11円まで開くことを示す

出典:各エリアの大手電力の特定小売供給約款・燃料費調整単価のお知らせ(2026年9月分)

エリア(規制料金)保温1時間保温24時間炊飯1回
北海道(従量電灯B)0.63円15円6円
東北(従量電灯B)0.51円12円5円
関東(従量電灯B)0.52円13円5円
中部(従量電灯B)0.48円12円4円
北陸(従量電灯B)0.46円11円4円
関西(従量電灯A)0.47円11円4円
中国(従量電灯A)0.51円12円5円
四国(従量電灯A)0.54円13円5円
九州(従量電灯B)0.44円11円4円
沖縄(従量電灯)0.58円14円5円

出典:各エリアの大手電力の約款・2026年9月分の調整単価。エリア名から公式ページを開けます

炊飯器そのものの電気代はどのエリアでも小さな金額ですが、一人暮らしの電気代全体でどれくらいの比重かは一人暮らしの電気代の平均で、冷蔵庫のように24時間動き続ける家電の電気代の考え方は冷蔵庫の電気代で、それぞれ確認できます。

まとめ

  • 保温1時間の電気代は約0.5円(象印の代表機種、2026年9月分・関東)。24時間続けても約13円
  • 毎日6時間の保温を1か月続けると約94円、12時間なら約188円。12時間から6時間に短縮すると1か月で約94円の差
  • 電子レンジで1杯(150g)を温め直す電気代は、冷蔵で約0.5〜0.7円、冷凍で約1.5〜1.9円(定格消費電力を使った上限寄りの目安)
  • 保温は、冷蔵に対して約1〜1.5時間、冷凍に対して約2.9〜3.9時間を過ぎると、レンジで温め直すより電気代が高くなる(機種による幅)
  • 炊飯1回の電気代(約5〜6円)は、保温を約9〜12時間続けた電気代とほぼ同じ
  • 圧力IH・IHの5.5合クラス3機種を比べると、保温24時間で約10〜14円、炊飯1回で約5〜6円の差がある
  • 損益分岐の時間は、電気代の単価にはほとんど左右されない。エリアが変わっても、機種の消費電力量(Wh)の比率で決まる

自分のエリア・世帯で今月の電気代を試算するなら比較ページ、店舗・事業所の低圧の比較は低圧の比較から確認できます。

よくあるご質問

Q. 炊飯器で保温と炊飯では、電気代はどちらが安いですか。

A. 1回あたりで比べれば保温のほうが安く済みます。この記事の代表機種(象印NP-ZS10)で計算すると、炊飯1回は約5円、保温は1時間あたり約0.5円です。ただし保温を続けるほど積み重なり、この記事の試算では約9〜12時間の保温で炊飯1回分の電気代に達します。

Q. 炊飯器の保温機能はなぜよくないと言われるのですか。

A. 電気代は1時間あたりごくわずかですが、長く続けるとレンジで温め直すより高くつきやすく、風味も落ちやすいためです。この記事の計算では、冷凍保存してレンジで温め直す場合と比べて、約3時間を過ぎると保温のほうが電気代が高くなります。

Q. 炊飯器を1日中(24時間)保温すると、電気代はいくらになりますか。

A. 代表機種(象印NP-ZS10)で計算すると、24時間の保温で約13円です(2026年9月分・関東)。この記事で確認した3機種では10〜14円の幅がありました。

Q. マイコン式の炊飯器は、保温の電気代が安いですか。

A. この記事で確認できた範囲では、マイコン式(3合・NL-BV05)の保温は1時間約0.31円で、圧力IH・IHの5.5合機種(約0.42〜0.58円)より安い結果でした。ただし容量が違う機種どうしの比較で、同じ条件ではありません。

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