この記事の結論(2026年9月分・関東の試算)
1. 電気ヒーター式(パナソニック フリーほっと。「8畳間に床暖房4畳」プラン=合計1,104W)を1日8時間使うと、東京電力の規制料金で月8,932円(1時間約37.22円)と計算できます。
2. ヒートポンプ温水式(ダイキン ホッとエコフロア 最小機種)は熱源機の定格消費電力925W。同じ8時間動かすと月7,484円で、電気ヒーター式より少ない電気で、公表COP4.32のぶん多くの熱を作れる計算です。
3. 工事の要らない電気カーペット型(後付け・2畳用520W)なら月4,207円。同じ使い方のまま会社を替えると、関東ではさらに月1,285円安いプランがあります(床暖房の使用分だけの比較)。
目安の「約31円/kWh」ではなく、メーカーが公表する消費電力と、当サイトの在庫にある2026年9月分の単価で計算した目安です。実際の消費電力は設置面積・設定温度・機種で変わるため、請求額そのものを保証するものではありません。
家庭全体の電気料金を、今の契約と比べる
床暖房単体ではなく、ご家庭全体の電気料金をエリア・使用量から試算します。今月分の単価で計算し、いまの契約が分かれば差額も出します。
「床暖房 電気代」で検索すると、多くのサイトが「1kWhあたり27〜31円」のような目安単価で、方式を区別せずに計算しています。 しかし床暖房は「電気ヒーター式」と「ヒートポンプ温水式」で消費電力がまったく違い、単価も電力会社・エリア・月によって変わるため、目安単価の一律計算では実際の請求額とずれます。 この記事では、メーカーが公表する消費電力(施工説明書・仕様ページ)と、2026年9月分の実際の単価をかけ合わせて計算します。
エネチェックは電力会社ではない、電気料金の比較サイトです。数字はメーカーの仕様ページ・施工説明書と各社の約款・お知らせを編集部が開いて確かめ、取得元つきで登録しています(編集方針)。
まず、ご自宅の床暖房がどちらの方式か確認してください。 電気ヒーター式かヒートポンプ温水式かで、この記事のどちらの数字を見ればよいかが変わります。取扱説明書や引き渡し時の書類に「電気ヒーター」「PTCヒーター」とあれば電気ヒーター式、「ヒートポンプ」「熱源機」とあればヒートポンプ温水式です。書類が見当たらない場合は、床下収納や屋外の熱源機(エアコンの室外機に近い機器)の銘板でメーカー名・型番を確認するか、施工会社・管理会社に聞いてください。都市ガス・LPガスで温水を作る「ガス温水式」もあり、この場合は電気代ではなくガス代がかかります(この記事では扱いません)。
1日8時間でいくらか見る / 仕組みの違いを見る / エリア別を見る
床暖房の電気代は、1日8時間でいくらですか?
電気ヒーター式(パナソニック フリーほっと)の代表的なプランで、1日8時間使うと1か月約8,932円、1時間では約37.22円です。
床暖房の電気代は「消費電力(W)÷1,000×時間×単価(円/kWh)」で計算できます。 問題は、備え付けの床暖房は畳数・部屋の形に合わせてパネルを組むオーダーメイドに近い設備のため、「6畳なら何W」という単純な数字をメーカーが公表していないことです。 そこでこの記事では、パナソニックの施工説明書に載っている実際のプラン例「8畳の部屋に4畳分のパネルを敷く」構成(回路1が768W、回路2が336W、合計1,104W)を代表値として使います。

出典:パナソニック「電気床暖房 フリーほっと 施工説明書」、ダイキン工業「ホッとエコフロア 仕様」、山善「ホットカーペット」商品情報ページ(2026年9月分の単価で計算)
| 方式 | 代表機種・プラン | 消費電力 | 1時間 | 1日8時間×30日 |
| 電気ヒーター式 | フリーほっと(パナソニック・8畳間に4畳分) | 1,104W | 約37.22円 | 8,932円 |
| ヒートポンプ温水式 | ホッとエコフロア 1MU405AFV(ダイキン・熱源機) | 925W | 約31.18円 | 7,484円 |
| 電気カーペット型(後付け) | ホットカーペット2畳用(山善) | 520W | 約17.53円 | 4,207円 |
出典:各メーカーの施工説明書・仕様ページ。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分(基本料金は含まず、電力量料金・調整費・再エネ賦課金・国の支援を含む増分だけ)
この記事の計算の前提:目安の世帯(3〜4人家族・日中は誰もいない・360kWh・40A)が、すでにその使用量で電気を使っているところに、床暖房を動かした分だけ電気代がどれだけ増えるかを計算しています。段階制の電力量料金は使うほど単価が上がるため、すでに使用量が多い世帯では、この記事の金額よりわずかに高くなることがあります。式そのものの組み立ては電気代の計算方法で説明しています。
6畳・10畳など、ほかの畳数の場合の消費電力は、メーカーの一般公開情報からは確認できませんでした。 実際に設置した部屋の畳数・パネルの枚数によって消費電力は変わるため、この記事では推測せず「8畳の部屋に4畳分」という公表されているプラン例だけを使っています。ご自宅の床暖房の消費電力を知りたい場合は、施工業者の資料か、床下・天井裏にある機器本体の銘板を確認してください。
電気ヒーター式とヒートポンプ温水式は、何が違いますか?
電気ヒーター式は電気をそのまま熱に変える仕組み、ヒートポンプ温水式はエアコンの室外機と同じ仕組みで少ない電気で多くの熱を作る仕組みです。ダイキンの公表値では、ヒートポンプは電気1に対して約4倍の熱を作れます(COP4.32)。同じ電気料金でも、ヒートポンプ温水式のほうが多くの暖かさを得やすいということです。
- 電気ヒーター式:床暖房パネルに内蔵した電熱線・PTCヒーターに電気を流し、そのまま熱に変える。パナソニックの説明によると、独自のPTCヒーターは温度が上がった部位だけ発熱を抑える仕組みを持つが、電気を熱に変える方式そのものは変わらない
- ヒートポンプ温水式:エアコンの室外機と同じ「ヒートポンプ」という仕組みで、外の空気の熱をくみ上げてお湯を作り、床下のパイプに循環させる。少ない電気で多くの熱を運べる
資源エネルギー庁は、エアコンが「ヒートポンプ」という熱を運ぶポンプのような仕組みで冷暖房を行っており、この仕組みによって少ないエネルギーで冷暖房ができると説明しています。床暖房のヒートポンプ温水式も同じ原理です。

出典:ダイキン工業「ホッとエコフロア 仕様」ページ(熱源ユニット3機種の定格消費電力・COP)
| 機種 | 定格加熱能力 | 熱源ユニットの定格消費電力 | COP |
| 1MU405AFV | 4.0kW | 925W | 4.32 |
| 1MU565AFV | 5.6kW | 1,255W | 4.46 |
| 1MU715AFV | 7.1kW | 1,760W | 4.03 |
出典:ダイキン工業「ホッとエコフロア 仕様」ページ。COP(成績係数)は消費した電気1に対して作れる熱の倍率で、メーカーの公表値
最小機種(1MU405AFV)は熱源ユニットの消費電力925Wで、電気ヒーター式の代表プラン(1,104W)とほぼ同じ電気の量です。それでいてCOP4.32のぶん、より多くの熱を作れる計算になります。 ただし、ヒートポンプ温水式の熱源機は配管を通じて複数の部屋に温水を供給できる設計もあり、電気ヒーター式のように「1部屋あたり何W」と単純に面積をそろえた比較ではありません。数字が示すのは、あくまで「同じくらいの電気を使ったときに作れる熱の量」の違いです。
床暖房の電気代を抑えるには、どうすればいいですか?
ヒートポンプ温水式は、部屋が暖まった「安定時」の消費電力が定格より大きく下がるため、こまめに切るより、設定温度を下げてつけっぱなしにするほうが電気代を抑えやすい機種があります。
ダイキンの仕様表によると、ホッとエコフロアの最小機種は、部屋を暖め始める定格運転で925Wですが、部屋が暖まったあとの「安定時」は324Wまで下がります。同じ8時間で計算すると、定格のまま動き続けた場合は月7,484円、安定時の消費電力が中心なら月2,621円です。 これは、いったん部屋が暖まればヒートポンプがそこまで働かなくてよくなるためで、電源のオン・オフを繰り返すより、設定温度を低めにしてつけっぱなしにするほうが、始動のたびに大きな電力を使う回数を減らせる可能性があります。
| 運転状態 | 消費電力 | 1時間 | 1日8時間×30日 |
| 定格(立ち上がり) | 925W | 約31.18円 | 7,484円 |
| 安定時(部屋が暖まったあと) | 324W | 約10.92円 | 2,621円 |
出典:ダイキン工業「ホッとエコフロア 仕様」ページ(1MU405AFVの定格・安定時の消費電力)。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分
電気ヒーター式は、こうした定格・安定時の消費電力を分けた公表値が見当たらなかったため、この記事では計算していません。ただしパナソニックの説明によると、独自のPTCヒーターは温度が上がった部位だけ発熱を抑える仕組みを持つため、同じように「暖まったあとは消費電力が下がる」方向にはたらきます。 どちらの方式でも、設定温度を必要以上に上げない、使わない部屋・時間は運転を止める(機種によってはゾーンごとの切り替えができる)ことが、電気代を抑える基本になります。具体的な操作方法は、お使いの機種のコントローラーの取扱説明書で確認してください。 床の上に厚手のラグや布団を重ねて敷くと、パネルの熱が部屋に伝わりにくくなり、設定温度を上げないと暖まらなくなることがあります。床暖房の上に敷くものは、床暖房対応をうたう薄手のものを選ぶと、熱を伝えにくくする効果を避けやすくなります。
電気代を抑えるなら、後付けの電気カーペット型も選択肢になりますか?
なります。工事の要らない電気カーペット型なら、賃貸でも購入してコンセントに挿すだけで使え、電気代も備え付けの床暖房より安く済みます。ただし暖める範囲はカーペットの下だけです。
備え付けの電気ヒーター式・ヒートポンプ温水式は、床下に機器を組み込む工事が必要で、賃貸物件では大家さんや管理会社の許可が要ります。 一方、床に敷くだけの電気カーペット型(薄型のホットカーペット)は工事が不要で、退去時に持ち出せるため、賃貸でも使いやすい選択肢です。
この記事では、山善のホットカーペット(2畳用・520W)を例に計算しています。1日8時間使うと1か月4,207円で、電気ヒーター式(8,932円)の半分以下です。 ただし電気カーペット型は、カーペットを敷いた範囲だけを暖める仕組みのため、部屋全体を暖める備え付けの床暖房と同じ暖かさにはなりません。暖房器具どうしの消費電力の比較は電気代が安い暖房器具はどれかでも扱っています。
エアコン暖房・こたつと比べると、どれくらい違いますか?
同じ1日8時間で比べると、電気ヒーター式の床暖房(8,932円)は、主に6畳用のエアコン暖房(3,560円)より月5,372円高く、こたつ(4,126円)より高くなります。
この比較は、当サイトにすでに登録している主に6畳用のエアコン(440W)・こたつ(510W)と、床暖房2方式・電気カーペット型の消費電力を、同じ8時間で計算した金額です。暖める範囲(部屋全体か、体のそばだけか)が違う機器どうしの比較のため、同じ暖かさをそろえた実測比較ではありません。

出典:各メーカーの製品仕様・施工説明書(消費電力)。単価は東京電力 従量電灯B・2026年9月分。同じ8時間・関東の単価で計算した金額で、実際の使用時間や設定はそれぞれ異なります
エアコンは部屋全体の空気を暖める仕組み、こたつ・電気カーペット型は体の近くだけを暖める仕組み、床暖房は床から部屋全体を暖める仕組みです。暖める範囲が違うため、電気代だけで単純に優劣を決めるものではありません。 エアコン暖房の畳数別・使用時間別の詳しい計算はエアコン暖房の電気代にまとめています。
住んでいるエリアや電力会社を替えると、電気代は変わりますか?
変わります。電気ヒーター式(8畳間に4畳分)を1日8時間使う同じ使い方でも、規制料金は九州7,581円から北海道1万702円まで開きます。会社を替えると、関東では月1,285円安いプランがあります。
エリアによって、調整費(毎月変わる燃料費調整額)の単価が違うためです。同じ機種・同じ使い方でも、住んでいるエリアで金額が変わります。

「今月いちばん安い会社」は、この記事と同じ世帯モデル(3〜4人家族・360kWh・40A)で、実額を計算できるプランの中から選んだものです。床暖房の増分だけを比べて選んだプランではありません。
| エリア | 規制料金 | 今月いちばん安い会社 | 金額 | 差 |
| 北海道 | 10,702円 | みんな電力 プレミアム100プラン | 7,981円 | 2,721円 |
| 東北 | 8,680円 | TERASELでんき 超TERASEL東北B | 7,808円 | 872円 |
| 関東 | 8,932円 | TERASELでんき 超TERASEL東京B | 7,647円 | 1,285円 |
| 中部 | 8,195円 | Green People's Power スタンダードでんき | 7,045円 | 1,150円 |
| 北陸 | 7,808円 | エネアークでんき セットB | 7,305円 | 503円 |
| 関西 | 8,084円 | 関西電力 従量電灯A | 8,084円 | 0円 |
| 中国 | 8,691円 | ミツウロコでんき 従量電灯A | 7,811円 | 880円 |
| 四国 | 9,218円 | オクトパスエナジー シンプルオクトパス | 7,353円 | 1,865円 |
| 九州 | 7,581円 | ミツウロコでんき 従量電灯B | 6,884円 | 697円 |
| 沖縄 | 9,838円 | エネワンでんき エネワン300プラン | 9,639円 | 199円 |
出典:各エリアの大手電力の約款・2026年9月分の調整単価。エリア名・プラン名から公式ページを開けます。関西電力は確認できた単価の中で従量電灯A自体がいちばん安いプランでした
これは世帯全体の請求額の差ではなく、「床暖房をこの使い方で動かした分」だけを切り出した差です。基本料金や他の家電の分も含めた請求額全体の差は、エリアと暮らしの型を選んで確かめてください。上限(調整費に天井があるかどうか)や解約金の有無は、この記事では計算していません。
あなたのエリア・世帯で、今の契約と比べる
床暖房を使う月の電気料金の明細にある使用量を入れると、より実際に近い差額が出ます。
まとめ
- 床暖房の電気代は、目安の約31円/kWhではなく、方式ごとの消費電力と今月の単価で計算すると実際の請求額に近づく。電気ヒーター式(パナソニック フリーほっと・8畳間に4畳分)を1日8時間使うと、2026年9月分・関東で月8,932円(1時間約37.22円)
- ヒートポンプ温水式(ダイキン ホッとエコフロア)は、電気ヒーター式とほぼ同じ電気の量(925W)で、公表COP4.32のぶん多くの熱を作れる計算。エアコンの室外機と同じヒートポンプの仕組みによる
- 工事の要らない電気カーペット型(後付け・2畳用)なら月4,207円と、備え付けの床暖房より大きく下がる。ただし暖める範囲はカーペットの下だけ
- 同じ8時間で比べると、電気ヒーター式の床暖房は主に6畳用のエアコン暖房より月5,372円、こたつより月4,806円高い(暖める範囲が違う機器どうしの比較)
- 同じ使い方でも、エリアによって規制料金は九州7,581円〜北海道1万702円まで違う(電気ヒーター式・1日8時間)
- 会社を替えると、同じ使い方でも金額が変わる。関東では月1,285円安いプランがある(床暖房の使用分だけの比較で、世帯全体の請求額の差ではない)
自分のエリア・世帯の目安で、今月の試算を確かめるなら比較ページでエリアを選んでください。